おれの彼女

　同じクラスにかわいい女子がいる。その子は二年二組の図書委員で、名前は井上小百合。おれが通う高校でもっとも気になる子だ。おれは彼女のことを小百合と呼んでいる。心の中で。

　本が好きな彼女になんとかして話しかけたい。

　夜がきて、ベッドに横になっても眠れなかった。
　よし。こうなったら明日、小百合に声をかけよう。
　おれは心に誓った。でもどうやって声をかけようか。
　目を閉じて考える。
　これしかないな。これでいくっきゃない。
　そう思ってぎゅっと目を閉じた。