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――男女の愛が深まると二人は自然に意気投合した。そして、ホテルの最上階の部屋で二人は抱きしめ合うと葉月は花鳳の美しさに見とれた。近くで見る彼女の顔は若々しく、そして愛くるしかった。花鳳もまた、彼の凛々しい顔を近くで見つめると頬が赤くなった。
「葉月さん……」
「花鳳…――」
二人はキツく抱きしめ合うと、再び唇を重ねて情熱的なキスを交わした。葉月は花鳳の体を服の上から触り、彼女の膨らんだ胸を右手で優しく包むと触った。彼の掌が自分の胸に触れると彼女はビクッと反応して顔を赤らめた。
「やっ……だめ……葉月さん、わたし……」
「可愛いね、花鳳。もっと見せてくれるかい?」
「っ……ン……だ、だめ……」
服の上から胸を触られると、花鳳は感じた表情で恥ずかしそうに拒んだ。彼は彼女をリードすると、そのまま首筋にキスをした。
「――良い顔だ。綺麗だよ、花鳳」
彼女が反応する度にその色気と、どこか初々しさに彼もまた愛しい気持ちが膨らんだ。そして、スカートをそっと捲ると太股を撫でた。花鳳は顔を赤くして、息を荒くすると『まっ…待って……』と言って彼から離れた。
「――どうした。嫌だったかい? ちょっと強引過ぎたかな」
葉月は彼女が傍から離れるとベッドに座り込んだ。花鳳は彼の前でバイオリンを手に持つと返事をした。
「違うんです……。その、その前に私から貴方にこの曲を聴いて欲しいんです。貴方は私にプロポーズをしてくれました。これが私の気持ちです。貴方にエルガー、愛の挨拶の曲を捧げます。これが私の貴方への『愛』です」
彼女は彼の前でソッとバイオリンを奏でた。美しい旋律に乗せた華やかなメロディーは愛らしく、純粋な深い愛に満ちていた。その旋律ひとつひとつに彼への愛を込めた。目の前でバイオリンを奏でる彼女の姿に彼も胸がときめいた。瞳を閉じると彼女のバイオリンの音色に聞き入った。そして、目眩く愛は男女の愛をより深めた。彼女がバイオリンを弾き終えると、葉月は感動すると拍手を送った。
「花鳳、ありがとう…――! 素晴らしい曲だった。僕は感動したよ。そしてキミと出会った日の事を思い出したんだ。出会ったあの日、キミはステージの上でピアノの伴奏と共にこの曲を奏でていたね。きっと、僕はあの時からキミに心を奪われていたんだ」
「葉月さん…――!」
花鳳は彼の腕の中に飛び込むと『貴方が好きです』と愛を囁いた。そして、葉月は彼女に『愛してる』と耳元で返事をすると、二人は抱き合ったままベッドの上に倒れ込んだ。そして、彼女とキスをすると葉月は花鳳の右頬に触れた。
「もう一度言わせてくれ、僕と結婚しよう…――! 一秒でもキミを離したくないんだ。日取りを決めたら二人で直ぐに式をあげよう。yesと言ってくれるね?」
「ええ、私もいつまでも貴方と一緒にいたいです。 葉月さんが好きです、大好き……! 私を貴方のお嫁さんにして下さい…――!」
花鳳は彼の一途な想いに応えると、幸せな表情で返事をした。そして、二人は抱き合いながら深いキスをしたのだった。
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