たとえ命が対価がだとしても、君とABCがしたいんだっ！

「もし、本当に嫌だって言うなら＿＿」

　僕の覚悟はとっくの昔に決まっている。
　勿論、彼女がどうしょうもなく僕が嫌いだというなら、仕方がない。

「僕の目を見て、嫌いだとはっきりと言ってくれ」

　でも少しでもチャンスがあるなら、
好きじゃなくても、嫌いだという程ではないなら、
　傍に居させて欲しい。

　いや、いると決めた。

「そ、そんなの…………」

もし、彼女が自分自身の体質の事を気にしているなら、それが障害になっているのなら、そんなものは、理由にはならない。

とっくに覚悟は決まってる、既に解決済みだ。

「それなら僕は君を諦めるよ」
「わ、私は……アナタが……好きじゃ、ない」

絞り出すように彼女は言ったが、そんな中途半端な言葉じゃ僕を止める事など出来はしない。

「ちゃんと僕の目を見て、ハッキリと僕が嫌いだって言ってよ。顔も見たくない程、嫌悪してるってさ」
「ど、どうして」

意を決した様に彼女は言葉を口にした。

「私の事が好きなら、私の事を愛してるなら…………私に近づかないで」

彼女は目を潤ませながら言った。

僕が望み、僕を待ってくれていたのは、極上で最高の美女。
そして触れたら命を奪われてしまう、サキュバスだ。