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「ヤダよ」
「…………」
「君を絶対に独りになんかしてあげない」
「は、はぁ?」
「じゃあ、あのさ。逆に聞くけどね」
「な、なに?」
結構キツイ感じで言った後だからか、僕が声を掛けると彼女はビクッとなった。そんなリアクションも可愛い。
キスしたい位だ。
「僕からも一つ、君に尋ねるよ」
「…………」
無言をYESと受け取る。
というよりも、僕には何を言っても無駄だと思ってるのか、俯いてから上目ずかいで、
若干諦めが入ってるような顔をして僕を視る。
そんな顔もたまらなくいい。
なので、返事を待たず続けた。
「今、君は幸せ?」
「…………そんなのアナタに関係ないでしょ」
一気に不機嫌な顔になる彼女。怒りマークが見えそうだ。
ただもうそれが答えだ。
彼女は独りでいたいわけじゃない。
だから僕は思いっきり持論を述べることにした。
「なら君にだって、僕が誰を好きになろうが関係ないでしょ」
「は、はぁ⁉」
僕が独りになった時。救ってくれたのは彼女だ。
だから、独りになんてさせない。
「僕は君が好きで、君に触りたいし、出来たら君を抱きたい」
「ほ、ホントに馬鹿じゃないの。そんなことしたら__」
「死ぬかもしれないって? だからさ、それは僕の問題で君の問題じゃないでしょ?」
僕の事を必ずしも必要としてくれなくてもいい。
でも絶対に独りにはしない。
そんな決意と覚悟が伝わったのか、彼女は困った様な顔をした。
「そんなの……誰かを犠牲にしてまで、望むことじゃないでしょ…………」
彼女の頬を涙が伝った。
「なら僕は死なない」
「そ、そんなの」
ただの精神論だって?
その通り。
「君が僕といる未来を望んでくれるなら…………。
おじいちゃんとおばあちゃんになっても、それでもずっと一緒にいたいと思ってくれるなら、
何があっても僕は絶対に死なない」
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