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「大丈夫だ。
この家の嫁としては失格でも、俺の妻としては失格じゃない」
強く手を握られ、莉王は照れる。
「……いつまでそんなこと言ってもらえるんですかね」
と呟いた。
「大丈夫だ。
お前がお前である限り。
お前が80歳になっても、100歳になっても。
……俺にとっては、ずっと可愛い――」
王様だ、と允は笑った。
「そっ、そこはお姫様で~っ」
と莉王は叫ぶ。
二人、手をつないだまま、あったかいご飯の待つおうちに向かい、歩いていった。
完
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