いつかのための誓い

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いつかのための誓い

 力のある将に褒められて、妙に背中がむず痒くなる。  ここまでの話を聞く限りだと、侶普が手心を加えなければ今回の同盟も英正の命もなかったということ。  俺の体が自然と侶普に頭を下げていた。 「貴殿の寛大な対処に感謝する。英正は大切な人材。ここで命を散らさせたくはなかった」 「いえ、感謝しないで頂きたい。ただの気まぐれです。彼は将となってまだ日が浅いと見受けましたので、まだまだ伸びると思いまして……成長が楽しみな若者です。我が領主も同じように感じております」 「澗宇殿も?」 「もし誠人様の領土から生まれし将でなれば、ぜひ登用したいと仰っていました。聞けば華候焔に見出され、将に取り立てられたと。あの男は性格こそ難ありですが、人を見る目は間違ありません。英正殿だけでなく誠人様に対しても、華候焔は強さの可能性を見たからこそこの地にいる――」  不意に侶普の目が険しくなる。怒りというよりも悲しみが滲む。 「――誠人様は、澗宇様の願いに応えて下さるのですか?」 「……ああ、話は聞いた。俺も同じ気持ちだ。この世界で志を同じにできる人と手を組むことができて、心から嬉しく思っている」 「ならば私は心置きなく誠人様に誓うことができます」
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