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力を奪われた俺の体は後ろへ倒れたがるが、華候焔の手が許してくれない。
口付けながら華候焔は強靭な筋肉が束ねられた両腕で俺を抱え込み、自らの体をゆっくりと後ろへ倒していく。
俺は華候焔の上で腹這いになったまま、唇の睦み合いを自ら続ける。絡み合う舌の感触と熱が心地良すぎて求めることを止められない。
この身が現実の体だと分かった上での行為は、俺を躊躇させるどころか熱情のまま求めさせてしまう。
どこまでも積み上がっていく肉欲に溺れていくなど、顔をしかめて嫌悪を覚えてしまうことだというのに――今はもう身も心も高揚するばかりだ。
選ぶ手段がなかったから始めた体の褒美は、与えるほどに華候焔たちは俺に応え、彼らの真意や本質を見せてくれる。快楽とともに彼らを知れば知るほど、自分が素晴らしく誇れる相手と繋がっているのだと胸を張れるようになる。
淫らに堕ちているはずなのに、俺は――。
「……ッ、ン、は……ぁ、ぁぁぁ……ッッ」
不意に華候焔の手が俺の腰や大腿を掴み、人の脚を大きく開かせ、ぬかるんだ媚孔へ熱く昂ったものを捻じ込んでくる。
少しでも奥へと招きたくて、俺は腰を立てて上体を起こし、凶悪な太さのものを根元まで呑み込む。
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