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途端に体内が圧迫され、呼吸が奪われる。
それでも快楽に貪欲になってしまった体は、息がままならぬ苦しさすら好くて甘やかに喘いでしまう。
「アッ、ふ、ぅ……ッ……え、焔……ッ、あっ、ン、ぅぅ――」
「好いんだな、誠人……っ……ほら、もっと悦べ……壊れてしまえ、俺に……っ」
両手で俺の腰を掴み、華候焔が下から執拗に突き上げてくる。
もう全身で余さずに快感を味わうことしかできない俺を、華候焔は恍惚の笑みを浮かべて奪い続ける。
――なんて嬉しそうなんだ、焔。
俺の体に狂喜する華候焔を見下ろし、快楽に踊りながら俺の胸奥は甘い疼きを濃くしていく。
もっと応えてやりたくて、絶頂に悦び狂う体を揺らして下肢の交わりを密にする。
脈打ち続ける肉壁が華候焔のものを擦り、快感を渡す度に俺から愛でている気分になってくる。
頭が淫らで愛しい熱でおかしくなっていく。
受け止め切れない快楽の押し付けに頭を乱すが、華候焔も俺も止まりはしなかった。
次第に腰への突き上げが激しさを増し――華候焔の熱が放たれる。
「――……ッッ! ……ッ……っ……」
最奥へ押し込まれた肉棒と熱に、俺は声も、意識も、感覚も、すべて奪われる。
この体が俺のものではなくなってしまった気がするのに、あまりに己の中が満ちて自然と口元が綻んだ。
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