溢れる自信

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「これだけ急に力をつけたら、太史翔以外の領主もなりふり構わず誠人を狙ってくる。暗殺されないための厄除けと思ってくれ」  しっかり考えてのことだったと知り、俺はハッとしてから短く頷く。  どうやら才明と白澤はそのことを理解していたらしく、より密着した俺たちを見ても否定はしなかった。ただ、 「誠人サマに変な虫がつかなくなるのはいいですけれど、特大の変な虫が取りついちゃって大変ですー。外でいかがわしいことはしないで下さいー」 「安心しろ。さすがに外で見せつける趣味はないから」 「えー……信じられませんー」 「俺だけに見せてくれる顔を、他の奴らに見せるなんて面白くないだろ。まあ誠人様が我慢できなくなって俺を求めてくれるなら、その時は応じるしかないがな」 「いかがわしいこと仕掛ける気マンマンじゃないですかー! 誠人サマの名誉のために、それだけは止めさせてもらいますからねー!」  俺を挟んで華候焔と白澤が恒例の言い合いを始める。至近距離でやめてくれ。耳が痛くなってくる。  思わず顔を引きつらせていると、上機嫌なままの才明が肩をすくめて一笑した。 「戯れはそこまでにして行きますよ? あまり遊ばれていると、本日は私が誠人様の褒美を独占することになりますから」  ピタッと華候焔と白澤が身を強張らせ、言い合いを収める。 「……そんなに自信があることを今からしでかしてくれるのか?」  どこか挑発じみた華候焔の問いかけに、才明は大きく頷いた。 「はい。今からお見せしますから、どうか楽しみにして下さい」  ぶれない才明の自信に、俺も目を見張るばかりだった。
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