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……魔法。
ここが電脳の仮想空間でなければ、この体ごと異世界に飛ばされているのは魔法が働いているとしか思えない。
頭では理解しているが、言葉に出されると途端に作り物感を覚えてしまう。
これが現実だと味わい続けてきたのに、それでも非現実的な状況を信じ切れない自分がいた。
「魔法で作られた世界、か。夢みたいな話だな」
「困惑する気持ちはよく分かるぞ誠人。俺だって未だにこの状況が信じられない。だが何年もこの世界に付き合ってるものでな。受け入れざるを得ないってもんだ」
華候焔は一笑して水を口に含む。喉を潤した直後に視線を俺に戻すと、柔らかく微笑んだ。
「話を元に戻そう。少なくとも名無しの兵士たちは仮想に過ぎない。だから何千、何万と倒しても誠人の手はきれいなままだ。だから命を奪うことを恐れずに戦えばいい」
命あるものではない――思わず俺は安堵で肩の力が抜けてしまう。
「そうか……それなら心置きなく戦える――ん?」
ふと俺は気づくことがあり、華候焔へ尋ねた。
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