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●三人からの愛撫
◇ ◇ ◇
正直、湯浴みをしても熱を感じなかった。
城内の浴場で身を清めてから寝間着をまとい、城主の部屋で寝台に腰掛けた後。俺は大きなため息を吐き出す。
一人を相手にするだけでも大変だというのに、三人同時は想像が追いつかない。
初めて華侯焔と才明の二人がかりでされた時は、途中で意識が飛んで、最後までしっかりと覚えていない。ただ、身体はその時の快感を刻み込んでしまい、絶頂のさらなる果てを知ってしまった。
もう二人を迎えるぐらいは、身も心も受け入れられるようになっている。この時点で既におかしくなっていると思う。
それが三人となれば、より深い快楽の底に俺が沈められてしまうのは目に見えている。あの終わりのない絶頂を味わい続けて、俺は俺のままでいられるのか? と本気で心配になってくる。
目を閉じれば自分の鼓動がやかましく胸の内を叩く音が聞こえてくる。
これは、後には引けないという緊張感と不安のはず――。
「誠人、待たせたな」
耳元で華侯焔の声がして、俺は肩を跳ねさせながら顔を上げる。
いつの間にか部屋に来た華侯焔が、俺の隣に座って耳元に顔を寄せていた。
「……才明と英正は?」
素早く部屋を見渡すと、華侯焔しかいないことに気づく。少しホッとして尋ねると、熱い吐息をかけながら華侯焔が教えてくれる。
「少し経ってから来るように言ってある。誠人が心から楽しめるように準備したほうがいいと思ってな」
言いながら華侯焔の大きな手が、俺の胸元に入り込む。軽く胸の突起が触れただけで、ジン、と甘い疼きが俺の全身に広がってしまう。
「あ……っ」
「何も心配しなくていい。俺たちは誠人の悦ぶ姿を何度も見てきた……今さら淫らによがって啼く姿を見ても、俺たちの気持ちは変わらない」
強張った身体を解すように、華侯焔は俺の胸をゆっくりと揉み、腹部や腰を撫で、俺を抱かれて悦ぶ身体へと変えていく。
そうして下腹部を通り、熱を帯びてきたものに触れた時。
華侯焔から小さな感嘆の息が聞こえてきた。
「良かった……俺が手伝わなくても喜んでいたんだな。俺たち三人を相手にすることを」
「……っ、いや、そんなことは――」
「取り繕うな。俺が触れる前から、こんなに昂らせて……萎えていないのが何よりの証だ」
俺のものを握り込み、親指で先端を弄りながら華侯焔が告げてくる。
熱く硬くなってしまったそれは、早く欲しいと涎を垂らすように液を先走らせ、親指の滑りをよくしていた。
もう俺の身体は未知の恐れよりも、快楽に抗えなくなっている。
きっと今夜のことで、俺の身体はさらにおかしくなってしまうのだろう。
まだ頭の奥に残っている常識やまともな感覚を、華侯焔は俺の唇ごと奪い、舌を絡め合わせて壊していった。
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