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プツ、と。俺の意識が途絶える。
今まであれほど身体の至る所が刺激に溢れていたのに、一切消えてしまう。
ほんの一瞬の出来事。
気づけば俺は華侯焔の腕に抱えられ、ぐったりとしていた。
「おっ、目が覚めたな。大丈夫か?」
「焔、俺は……」
尋ねようとした俺の頭を、華侯焔が優しく撫でてくる。
まだぼんやりとしている身体と意識に、この柔らかな感触は心地いい。うっとりとしていると、二つの人影が俺に被さってきた。
「誠人様っ、申し訳ありません! 私が加減しないばかりに……っ」
顔から血の気が引いた英正が、今にも自害しそうなほど悲痛な表情で俺を覗き込む。そして隣の才明も眉根を寄せて、申し訳なさげにしながら頭を下げる。
「同じくです。最初に私がやり過ぎてしまいました。自分を制御できないとは、未熟者としか言えません」
罪悪感と気遣いを見せる二人とは対象的に、華侯焔は悪びれた様子もなく一笑する。
「俺以外は慣れていないから、まだ配分が上手くいかないんだな。まあ何回かやれば慣れるし、誠人の身体もついていけるようになる」
……複数を相手の行為に慣れるなんて、どれだけ爛れたことをしてきたんだ。それと、あっさり俺をさらにおかしくするつもりだと断言しないでくれ。
半ば呆れと恐れで気が遠のきそうになっていると、才明と英正が動揺を滲ませる。
「これは今日だけのものではないのですか?」
さすがの才明も許容し切れない内容らしい。常人の感覚が覗いて安堵してしまう。
英正は血の気が引いたまま、フルフルと首を横に振る。さっきまで俺を責め続けた男とは思えない萎縮っぷりだ。
「誠人様の負担になるようなことを続けるなんて、私には……っ」
二人とも俺に無理をさせ過ぎたと、心から反省しているのが伝わってくる。
それでも華侯焔は臆せず、はっきりと告げた。
「できるだけ三人同時がいい。時間の短縮もそうだが、個室に誠人と二人きりのほうがお前ら調整できないだろ。遠慮するか、やり過ぎるか……分かってるだろ?」
思う所があったらしく、才明も英正も口を閉ざして視線を逸らす。
俺を腕に抱えたまま、華侯焔は二人を睨みつけた。
「己のためじゃなく、誠人のために貪欲になれ。どれだけ身体を重ねても褒美は褒美。この世界の理から逃れられない以上は腹を括れ」
思う所があるらしく、二人とも黙り込んでしまう。
軽く呆れた息をついた後、華侯焔が表情を和らげ、俺を覗き込む。
「誠人はどうしたい? 領主の命は絶対だ。誠人がもう嫌だと言うなら、今すぐでも切り上げるが……」
少し身体に力が戻ってきた俺は、のろのろと上体を起こし、身体の向きを変える。そして正面で向き合う形になった華侯焔の腰にまたがり、たくましい首にしがみついた。
「必要なことなのだろ? それなら受け入れるしかない」
唇を合わせて口内で睦み合いながら、俺は華侯焔の凶悪な熱棒に自らを突き立てた。
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