●その顔が見たかった

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 俺の中を最奥までみっちりと埋めながら、才明は腰を揺らして俺を堕とす。  延々と焦らされた最奥の壁は、少し押されただけで溜め込んでいた疼きを弾けさせ、大きな絶頂を生む。  息ができない。視界が点滅する。  コマ送りのように才明の顔が近づき、愉悦と快楽に蕩けた表情を俺に向けながら熱い吐息を零す。 「悦んでますね、誠人様の中……フフ、でも、もう少し深く、私を感じて下さい。奥で、咥えて――」  奥の壁をこじ開けるような、グリグリとした先端の動き。思わず俺の息が引く。  この先なんて無理だ。  今呑み込んでいるものだけで精一杯。そんな余裕のない俺の中を、才明は小突いたり、ねじ込むような動きを繰り返し――不意に、最奥の壁が消えた。 「――ッッ! ……ぁ、っ、……ッ、っ、ぅ……ッッ――」  今までになく深い所を埋められ、快楽の脈動が止まらなくなる。  才明が呼吸するだけで最奥の奥が揺れ、その刺激だけで絶頂の大波が俺を呑み込む。  夜を超える前に、俺が快感に壊される。  そんな確信めいたものがあるのに、俺の口は才明を制そうとはしない。  ここまでやって、ようやく身体が華侯焔の名残りを払い、才明を刻み込む。  媚薬混じりの軟膏を使い、華侯焔におびただしい快楽を叩き込まれてしまったからこそ、身体がギリギリで堪えてしまう。  意識が途切れていく。俺が快感で切り裂かれていく。  だが、完全に途絶えない。俺は俺のまま、才明によって淫らで貪欲な獣へと作り変えられる。  もう視界がぼやけて才明の顔がよく見えない。それでも間近にいることだけは分かり、俺はわずかに顎を上げて唇を差し出す。  完全に意識と欲が途絶えるまで少しでも相手を欲する俺に、才明は口づけで応えてくれる。  舌が絡められた瞬間、飢えを癒そうとするかのように俺は自らの舌を激しく動かし、上と下でグチャグチャと淫らな音を立てていく。  そうして間もなく、才明は俺の中を大きく抽挿し、快楽を生み出す至る所を磨り上げ、壁の奥に熱を放った――。  気づけば俺は意識の底に沈んでいた。  何も見えない。誰もいない。真っ暗な世界。  どれだけ絶頂を繰り返し、まぐわい続けたのかまったく分からない。  ただひとつ言えるのは、才明が一番容赦なく俺を貪った。  動きだけは静かだったのに。この世界で軟膏と白鐸の恩恵を受けていなければ、廃人と化すか腹上死するか――それだけの目に遭ったことだけは確かだ。  目が覚めたら「やりすぎだ」と言いたいところだが、それ以上は言えない。  才明の望みに応えられるのは、今この時だけだから。  間もなくゲーム中断か続行を尋ねられるだろう。  選択ウィンドウが出るのを待っていると、闇の中からぼんやりと人の形が浮かんできた。
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