●終わりが見えて

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 寝たまま抱かれることになった俺には、もうシーツを掻いて身悶える体力すらなくなっていた。  か弱く喘ぎ、未だ収まらぬ絶頂の波がくるままに達し、華候焔のものを締め付け続ける。 「ハハ……ここまで付き合ってくれるとはな。久しぶりに、いい気分で眠れる……」  ずしり。背中に華候焔の体がのしかかり、俺をベッドへ潰してくる。  ようやく俺の中から猛りを鎮めたものが抜ける。  ずっと居座り暴れていたものが消えた途端、ドロリとした淫靡な残骸が俺から零れ落ちていく。  もう退かすことも、身じろいで華候焔の下から抜け出ることもできぬほど力が入らない。  ようやく終わった――気が抜け、意識が遠ざかっていく最中、フッと体の上から重みが消えて息がしやすくなる。  だが、俺が息を吸い込んだ途端、横たわった華候焔が俺を抱き締め、束の間の解放すら許さなかった。  俺が意識を手放す間際、華候焔は囁く。 「待っているぞ、誠人……もうお前は、逃げられない……」  返事はできなかった。  汗ばみ、雄々しい匂いが漂う中で、俺は眠りに落ちた――。
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