213人が本棚に入れています
本棚に追加
●再開は事後の続き
* * *
真っ暗な視界の中、一瞬だけ意識が点滅する。
気絶してすぐに目覚めたような……。
なんとも不思議だ。こんなにも意識ははっきりしているのに、眠りの淵へと急降下して浮上しているような感覚だ。
次第に周りが明るくなってくる。
初めてゲームをプレイした時には上空から城へ落ちた。
まさか今回も同じ状況になるのか? 毎度ゲームを開始する時は、あの心臓が壊れそうなほどの恐怖を味合わなければいけないのか?
サァ……っ、と俺の全身から血の気が引いていく。
しかし前とは違い、いつまで経っても下から突き上げる風は吹かず、辺りが完全に光で溢れる――。
――まぶたを開けると視界が横たわっていた。
中華風の、品のいい調度品が置かれた見覚えある部屋。
何度か瞬きして、自分がベッドで横になっていることに気づく。
そして背中が熱い。腰にずしりと重みがある。
むわ、と事後の青臭ささや汗のにおいが鼻に届き、俺は現状を理解する。
……華候焔に抱かれた日からの続きか……っ。
俺の体が一気に固まる。
今、俺の背後で華候焔が寝ている。背中から脚まで肌が密着している感触……お互いに裸のままだ。
この性欲底なしの怪物は、このまま目覚めれば俺を襲うに違いない。
最初のコメントを投稿しよう!