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●逆らえない体
「や、やめて、くれ……ゲームを、進め、ないと……っ」
逃れようとする俺へ、華候焔があからさまに嫌そうな顔を向ける。
「いいだろ、一回ぐらい。朝からスッキリしようぜ? そのほうがお互いにやるべきことに集中できる……それとも、俺に昼間からちょっかい出されて、悶々としながらやりたいか? それもまあ楽しそうではあるがな」
「昨日あれだけやって、まだ足りないのか?!」
「足りる訳ないだろ。あれは料理で言えば下ごしらえだ。美味しく食べるための準備でしかない。本番はこれからに決まってるだろ」
あれが下ごしらえ、だと……?
顔を引きつらせるしかない俺へ、華候焔が楽しげに告げてくる。
「さすがに朝から昨日みたいなことはしないがな……なあ誠人。今から一回抱かせてくれたら、今日一日、俺はお前を全力で支えることを確約してやる。どうだ?」
「……断れば?」
「散々体を煽って、邪魔して、まともに指示できないようにしてやる」
「……我慢はできないのか……」
「俺ができると思うか? こんなに滾ってるのに」
おもむろに華候焔が俺の手を取り、自分のものへ触れさせてくる。
他の肌よりも熱を帯びたそこは大きく怒張し、俺を奪いたいと脈打っていた。
これを何もせずに鎮めろというほうが無理な話だと悟るしかなかった。
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