1人が本棚に入れています
本棚に追加
その日以来、私達は金曜日には小さな鳥籠を持って、夕方に出かけるようになりました。
そしてついに、鳥が電線に何羽も並んでいるのを見つけました。私達は物陰に隠れて、鳥達が移動するかどうか、少し待ってみることにしました。
夕日が沈みかけた頃、鳥達が一斉に舞いあがり始めました。ぞろぞろと連なって、何処かへ行こうとしているようでした。私達はこっそりとその後を追いかけました。
鳥の群れは、神社の裏の雑木林に入っていきました。私達も続いて林の中に入ります。
林の中は真っ暗で、木々が揺れる音が、まるで話し声のように聞こえました。
もう帰ろう。
そう言い合って、私達は帰ろうとしました。しかし木の枝に躓いて、持っていた鳥籠を落としました。
鳥籠は丸い形をしていたので、コロコロと転がって、林の奥の方へ消えていきました。
最初のコメントを投稿しよう!