ことりの集会

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 私は姉が本当に小鳥になってしまったのだと思いました。  怖くて怖くてたまらなくなりました。早く帰って、父と母にこのことを伝えなければと思った、その時です。 「やあ、待ってたよ」  頭上から、そんな声が聞こえました。  子どものような、高い声でした。  誰かいるのかと、声のした方を見上げると、そこには何十羽もの鳥が、私のことを見下ろしていました。  小鳥なんかじゃありません。真っ黒の、(からす)よりも大きい、気味が悪い鳥でした。  私は足が竦んでいたのか、その場から動けませんでした。  そうしていると、鳥達は一斉に歌い始めました。今でも鮮明に覚えています。    みたな、みたな  ことりの集会  きいたな、きいたな  ことりの集会  いつか、必ず、とりにゆく  きっと私も小鳥にされてしまう。  そう思い、目を瞑りました。しかし、いつまで経っても何もありません。  恐る恐る目を開くと、私は人間のままで、鳥達は消えていました。  私はカナリアの入った鳥籠を抱えて、泣きながら、その場を逃げ去りました。  家に帰ると父と母にひどく怒られました。帰宅したのはもう日も暮れていて、夜遅くだったのですから当たり前です。  そして母に「加奈(かな)はどうしたの?」と、姉のことを尋ねられました。  私は姉のことを伝えようとしました。  しかしそのとき、父が言いました。 「加奈って、誰だ?」
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