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母が震える声で、父に言いました。
「何を言っているの?娘の加奈よ」
「お前こそ何を言っているんだ。うちはずっと一人娘だろう」
母の顔がみるみる真っ青になっていきました。
私の肩を強く掴んで、酷く怯えた様子で姉のことを聞いてきました。
私は、姉と神社裏の雑木林に『小鳥の集会』を見に行ったこと、姉の代わりにカナリアがいたこと、姉がどこにもいなくなっていることを話しました。
それを聞くと、母は叫ぶように泣き始めました。
父は状況が理解できていないようでした。父は姉の存在自体を忘れてしまっていたのです。
母が泣きながら、叫びました。
「小鳥の集会は夢じゃなかった」
なぜ母が小鳥の集会のことを?
そう思っていると、家の外から歌が聞こえてきました。あの雑木林で聞いた歌声と同じ不気味な声でした。
みたな、みたな
ことりの集会
きいたな、きいたな
ことりの集会
とった、とったぞ
約束どおり、もらったぞ
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