俺と彼女の分岐点

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 だが、ある日の深夜3時に電話が鳴った。  優香からだった。明らかに動揺している。 「ゆ、優衣が⋯⋯高熱で⋯⋯動かなくなって⋯⋯どうしたらいいのか⋯⋯私⋯⋯」  突然手足を突っ張り、全身を硬直させているという。高熱で引きつけを起こしているのかもしれないと、取り乱した優香の代わりに救急車を呼び、運ばれた病院へ向かった。  幸い優衣は無事だった。高熱で脳の細胞が異常な動きをしたらしい。  病院に駆け付けた俺を見るなり、優香はその場に崩れた。前の旦那でも、友達でもなく、俺にSOSを出した。その気持ちをしっかりと受け止めたいと思った。 ――そのことがきっかけになって、俺たちは付き合い始めた。  だがそれから「結婚」に向けて進むまでに、6年もかかってしまった。優香の結婚に対する不安感への配慮だった。 『これからもずっと、優香と優衣を守らせてください』  今まで苦労してきた優香を幸せにしたい。  優香と優衣と、3人で生きていく。
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