第1話お洒落
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「ねえ……ねえってば!」 「ん?」 「聞いてるぅ!?」 イヤホンを耳から外し、私の方に向き直す
佑月
(
ゆずき
)
。 昼の日中、私、
紫苑
(
しおん
)
の部屋。いつもジャレ合った後は、イヤホンで音楽を鳴らし一人の時間に浸る佑月。 私のことは放ったらかしだ。女としては、もっと愛に溢れた行為のあとは、しんみりその太い腕の中で、ゆっくりと眠りたい。だから私はあえて佑月がお気に入りの曲が入ったところで声をかけてワザと向かせる。
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