イラスト集は知っている――黒の無言

選択肢をあなたに

だからね、私はあなたに選択肢を与えてあげる。

財産分与は、弁護士に相談して私から渡すことになっていた。大事なことだったが、圭介は朋恵にずっと通い婚で、そのことには見向きもしなかった。私と別れられればどうでもいいと思ったのだろう。だから、私が全て整理した。

いろんな書類は、小さな金庫にしまっておいた。鍵は付いてなく、簡単なパスワードが必要だったが、大したことではなかった。

あなたをもっと試したくなった。
どんな選択をするのかを――

二人を素直に送り出すこと。それが、あなたたちへの最大の復讐となるのだから。

だから快く、あなたたちを祝ってあげるわ。

圭介にそれらを渡して、私は二人の前から姿を消した。