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新しい妻にとっては、こうやって私と話すことも苦痛なのであろう。一度も目が合っていない。それでも私はかまわなかった。
だって今日は、書類を渡すためだけに呼んだのだから。
あの日、離婚届だけを残して私の前から去っていったあなたの背中を、ただ見つめることしか出来なかった。
それが悔しいのか悲しいのか、それとも空しいだけなのか。
ここに独り、取り残されるなんて……
あなたは私を必要としていなかった。自分がこんなにも不安でみじめな思いをするなんて考えもしなかった。
あなたと出会った時には、そんなこと少しも思わなかったのに。どれだけ寂しい思いをしたか、わかる?
遠い記憶のあなたの優しさは、全部嘘だったの?
もう、何もかも信じられない……
愛情の欠片を探しては、拾い集めてパズルのように組み立てる。けれど、一度崩れ落ちてしまったピースは全てを見つけることは出来ない。
隙間だらけのパズルは何度当てはめても、もう元には戻らなかった。
私は、ずっと圭介に弱い部分を見せたくなくて、ただ強い女を演じていただけ。
もっと、淋しいと泣いて甘えればよかったのだろうか。
二人を部屋に通しながら、私の心は今だに揺れ動いていた。
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