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「さくらの体は俺だけのもの…
唱馬に与えるなんて、絶対にしないでくれ…
頼むから、さ…」
俺の言葉は、ちゃんとさくらに届いたのかは分からない。
だって、もう、そこは天国の入り口で、快楽を感じるために俺達は奈落の底に堕ちていくだけだから。
こんな甘い蜜を知ってしまった以上、俺達はもう後戻りはできない。
俺は、また、ひと眠りしてしまった。
でも、一緒に俺の隣で寝ているはずのさくらの姿が見えない。
俺はスマホの時計を見て、さすがにもうゆっくりしていられないとベッドから起き上がった。
身支度を整えながらさくらを探していると、キッチンで物音がした。
「さくら?」
俺は、もう昨日までの俺じゃない。
さくらの存在を近くに感じないと、寂しくて寂しくてたまらない。
母親の温もりを求める赤ちゃんのように、泣いてしまいたいくらいだ。
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