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デイビッドは適当な部屋に入り、ベッドを見つけるや否や飛び乗った。柔らかいという感覚が情報として伝わってくる。彼はゆっくりと体が沈んでいく不思議な心地よさに酔い浸った。
義体によって舞い散った埃は行く当てもなく宙に浮かび、窓枠型の強い日差しに照らされている。
デイビッドは眠った。彼にはもう、思い残すことなどなかった。やつらを避けながら旧人類の知識を蓄えるという日常に疲れきっていた。寝息一つ立てない義体から、ぽろぽろと砂が落ちた。
——こちらケプラー第四亜光速輸送機、デイビッド博士、聞こえるか、デイビッド博士。ただちに応答せよ。
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