九月十七日

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 そして、城下の広場にわたしは降り立った。見上げると塔の群れはかなり天空へとそびえ立っているように見える。修練の塔だけが性格的にそれほど高くはないようだった。  天使たちは飛び去った。  同時に、スキル用の初期ポイントをもらって、それをスキルに割り振る作業に入った。またセシルが文句を言うだろうけれども、わたしが理想としているダークエルフ像が、かなり脳内のそれと一致できている。気に入った。  まず、小柄で非力なダークエルフだというのに、剣士を選ぶことが間違っている。いやよくやった! これよこれ。  普通なら、ダークエルフは魔法使いか僧侶、あるいはこれがいちばん王道だと思うけれど、弓使いに向いている。  もちろん弓も使うけれど、わたしは剣士になった。とりあえずポイントのスキル割り当ては、すべて敏捷性(びんしょうせい)系統と(ラック)に費やした。  あとは純粋にアバターの外見を変えるアーマーというアイテムを買った。純和式の弓道の服を選ぶ。  エニグマ・タワーズは顔つきまでカスタムできることに驚いた。  猫っぽい眼、といえば通用するだろうか。  ただのつり目っぽい印象ではなく、つぶらな猫っぽい眼差しをわたしは選んだ。
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