みんなと私と大人と社会

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大人ってなんなのか私にはよく分からない。 私は20歳にもなっていない子供だから皆が言う 「大人」だとか「社会」をまだまだ知らない。 私はこれまでほんの少ししか生きていない。 だからきっと分からなくて当然なのかも知れない。 しかし私が失敗したりすると周りにいる人は言う。 「社会に出たら通用しない」とか「大人になったら通用しない」とかだ。 失敗というのは忘れ物をしたり、宿題をやってこなかったり、人の話を聞かなかったりするとよく言われてた。これら以外にも約束を破ったり、人に優しくしなかったり、理不尽な事を他人に押し付ければ同じように言われる。 だから私は思った。 「大人はやるべき事をしっかりこなし、相手の気持ちを考える事の出来る人」なんだと。 でも最近、そんな人は居ないと思えてきた。 私は飲食店のキッチンでアルバイトを3年間した事があるのだが、そこで働いている従業員やマネージャー更には店長と呼ばれている人ですら、皆が言う「大人」には当てはまらないと思った。 私は社会的地位が高ければ高いほど、「大人」だと思っていた。 しかしそんな事は無いらしく、常にピリピリして小言のうるさい更年期障害のマネージャーと、アメと鞭を上手く使えてると勘違いをしている店長がいた。 私はそんな人達と3年間仕事をしたのだが何故こんな人間が、人の上に立つ役職に上り詰められたのか理解出来ていない。 人の話を聞かなければ社会で通用しないと言われてきたのだが驚いた、なんと社会では人の話を聞く以前に、他人が意見を言えない雰囲気を作り出す事がよくあるらしい。 これは学校でもある事なのだが、それは私達がまだ子供だからであり、そういう事をする子供は社会に出れば痛い目を見るとばかりに思ってたのだが、そうでは無かったようだ。 皆が教えてくれた「社会」とはなんだったのか。 それに、人の気持ちを考えたりする能力もほとんど失っている。従業員やアルバイト、特に高校生のアルバイトには当たりが厳しく、学生時代に壮絶ないじめでも受けたのかと疑うほどだ。 しかしだ、役職が上の人間はお店の事を考える事も大事なので、従業員やアルバイトに仕方なく負担をかける判断を下すのも理解できる。 だが私の働いていたお店で凄い事が起きた。 私が入る時からいた年上の女性の従業員がいるのだが、この人は精神的に確実に病んでいて、いつも手首に絆創膏をいくつも貼っている人だった。しかし普段の振る舞いからはそんな様子は無く、冗談をよく言う明るく優しい人に見えたのだが、きっと無理をしていたのだろう。彼女が病んでいる理由を直接聞いた事はないのだが、事務所で店長と二人きりで話して号泣していた所を何度か見た事から、ほぼ間違い無く仕事関係であると分かった。彼女は私が新人の頃いろいろな事を教えてくれたので、従業員の中では良い方だった。 私は3年間の間働いていたので、彼女と何度も出勤が被った事があるが、やはり手首の傷が似合わない程明るかった。 しかしそんな彼女が暗い顔を見せる時がある。 それは店長と出勤が被る日だった。 私が思うに、店長は彼女を治そうとしていた。 店長は彼女の手首の傷跡を見ると叱っていた。 私は見てはいないが、同級生のバイト仲間の話だと頭を軽くではあるが叩いて叱っているところを見たらしい。 病んでいる人の接し方に正解があるかなんて私には分からないが、「アレ」は確実に間違っていた。 彼女の病み始めがなんなのかは分からないが、悪化の原因と今病んでいる原因は確実に店長だと思う。 そして彼女の自傷行為は止まるどころか増えていたらしく、店長はその度彼女を叱ったり、事務所に呼び出し話し合いをして泣かしていた。 そして私が休みの日に大変な事があったらしい。 この話はその日出勤していた友人から聞いたのだが、 我慢の限界がきたのか、彼女が店長に怒鳴り散らしてお店を辞めたそうだ。 その怒鳴り散らした内容は 「もう限界です!!」とか「貴方とは一緒に働けません!!」という内容だったらしい。 私はその話を聞いて少しホッとした。 私は結構冷たい人間な様で、家族と友人以外ならどうでも良いと思う性格のただ傍観しているクズだった訳だが、最後に思っている事を吐き出して辞めていった事に関しては、ここでこのまま働くよりはマシだと思うので良かったと思った。 長くなってしまったが、店長は彼女と言う従業員に対して必要のないどころか、更に追い込む様な負荷の掛け方をした事から、私が教えてもらった「大人」とはかけ離れた人だったと言う事だ。 この事から私は学校や教科書で習った様な「大人」や「社会」なんてないと無いと思う。 きっと大人なんてものは20歳を過ぎた人間の事であり、社会とは働いている所を指す言葉なのだろう。 これはあくまで「今のところ」の話であり、この先社会に出て違うところで働けば、この考え方が変わる事はあると思う。 変わる方向が良い方向だと嬉しいのだが。 これで私の話は終わりでここからは余談なのだが。 この文はエッセイでいいのか分からない。 個人的にはホラーのタグを貼っても良いと思うのだがどうだろうか、初めて書くので読みにくいところもあるだろうが許して欲しい。 私はまだ「子供」なので。
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