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時を遡ること約10 分前。
「…。」
東山コンサートホール方面行。そう書かれたバスの路線図を目で辿っていく。目的地は乗り込むバス停から5つ先。遠山病院前だ。
俺は腰を擦る。
隣のおっさんが俺を見下す様にちらりと見てくる。肩幅のあるこのおっさんもバスに乗るのか？大きなビジネスバッグとゴルフ用のカバンを持っている。
俺は、多分TVの見過ぎで腰が痛い。
有名な先生が予約で取れたので向かうのだが、バスという乗り物はどうも苦手だ。
不特定多数の人間が乗るというのもそうだが、電車や飛行機に比べ、運行状態が人の降車、交通状況、運転手の状態など、かなり不確定な要素が多く時間もはっきりしない。
ある一定の同じ目的血を目指す者が集まれば車10台分はスペース的な効率が上がるし、車を持たない俺のような人には悪いところばかりではない事は知っているが。
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