処刑

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高校では、担任の男の先生。 夕方の教室に呼び出されて、私がどれだけ出来損ないなのかを先生の口から聞かされる。 「何で俺の言うこと聞かないのー?耳ついてるんだよねぇ?」 引きちぎられるかと思った。先生の爪が私の耳に引っかかって血が流れる。 「そんなこともできないの?使えないねー。」 頭が飛んでいくかと思った。素手で横から平手打ち。 「お前の出来が悪いからお父さん他所に行っちゃうんだよ。愛想尽かされたんじゃない?」 本当のことかもしれない。うるさい。…そのことを声には出さなかった。多分。 突然、先生は私が座っていた椅子を蹴り飛ばした。先生の額には血管が浮かんでいる。 バランスを崩して壁に寄りかかると、先生は拳で私の腹を殴りつけた。 「おえっ」と私の口から音が漏れる。嘔吐一歩手前だ。 そして追い打ちをかけるように左手で思いっきり締め上げ、壁に叩きつける。 空いた右手は腹への攻撃を続けていた。 結局私は嘔吐した。 けれど、首が絞められていた故に吐しゃ物は空気に触れることなく、胃と食道で行ったり来たりを繰り返す。 ついには喉に詰まって、私は息絶えた。 私は大笑いしている先生の後ろから、私が息絶えるその様子をじっと眺めていた。
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