陰キャゲーオタのゲー友に夢で毎晩ヤられているんですが

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陰キャゲーオタのゲー友に夢で毎晩ヤられているんですが

7fb044d8-7b29-4d29-9af4-381542fa34ea<i712266|37905> 「ふふ……(そら)のここ、俺のを美味しそうに食べてるね。気持ちいい?」 「あっ、だ、だめっ、だめなのに、おかしくなるぅう・・・」 ああ、(ゆず)が……こんないやらしい顔して、私の中を掻き回しているのが、こんな、気持ちいいとか。 こんなの。絶対夢だ…… ****** 「はい、俺の勝ち」 「くそーー!負けたぁ!もー、柚、強すぎ!」 私はがっくりしてコントローラーをそこに放り出した。 「あーもう、休憩!」 そう言うと、買ってきた酎ハイをガサガサとビニールから出して、カシュッとプルトップを開ける。 この部屋の主の柚は、いつも涼しい顔で勝ちをかっ攫っていく。ゲームの腕は抜群に良くて恰好いいのに、その容姿は相反して、ぼさぼさ髪で黒ぶち眼鏡を掛けた野暮ったい男。 もう何度目になるか分からないが、今日も私はバイト帰りにこいつの部屋でゲームをしていた。 柚とはバイト先が同じで、同じオンライン対戦ゲームをやっていることが分かり、フレンドになって対戦するようになった。 いわゆるゲー友だ。同い年の20才だけど、大学は違うし、ゲーム以外の共通点もないから、同じバイトっていう接点がなかったら、会うこともこんな風に仲良くなることもなかったと思う。 私はFPSとかオンライン対戦のゲームや、アクションゲームが好きだ。 中学くらいまではまだ、一緒にゲームをやれる子は男女問わずいたけど、だんだんみんな、メイクとかファッションとか、彼氏彼女とか別のことに夢中になって行って、一緒にゲーム出来る子はいなくなってしまった。 なのでオンラインでランダムで当たる相手と対戦してたけど、ホントはこんな風に一緒になんだかんだ言いながら遊ぶのが好きだ。 だから、リアルにこうやって遊べる柚と友達になれたのは、嬉しかった。 柚と初めてバイト先で会った時の印象はザ・陰キャ。だった。 やや長めの、耳やうなじにかかった黒い髪は天然パーマなんだろう、くるくると毛先がはねてあっちこっちに飛んでいて、前髪は目にかかるほど長く、おまけに縁の太いプラスチックの眼鏡をいつも掛けているから、目元の印象がはっきりしない。 肌の色も、ぜんぜん日に焼けたことがないかのように白くてびっくりした。 話合わなさそう、と思ったけど、一緒のシフトでレジに立ってて何も話さないのも気まずいから、私の方から色々話しかけたんだけど、 「ああ、はい」 「そうですね」 「そうなんですか」 の3パターンで返され、会話が尽きた。 そしたらレジに高校生が、有名な対戦アクションゲームのダウンロードカードを買いに来た。 これ、面白いんだよなあ。と思っていたら、レジに打ち込みながら柚が「これ、面白いですよね。俺も好きです」と高校生に話しかけた。口元には笑みまで浮かべて。 え、普通に話せるんだ。てか、ゲーム好きなんだとびっくりした。 高校生もびっくりしていたけど、嬉しそうに「このシリーズ好きなんで」と答えていた。 私はうずうずして、高校生が帰ったあとすぐ 「ねえねえゲーム好きなの?私も好きなんだけど」と話しかけた。若干、前のめりになっていたかもしれない。なかなか出来ないゲームの話が出来るかもしれない期待ではちきれんばかりになっていたから。 そしたら、柚はびっくりした顔をして 「女の人でゲーム好きな人、初めて会いました」って言った。 ゲー友に飢えていた私は、どんなゲームが好き?とか対戦する?とかフレンドになろうよ、って終始前のめりで話しかけていた気がする。 けど柚はめんどくさそうな様子もなく、最初の3パターンの会話が嘘みたいに饒舌に色々話してくれて、フレンドにもなってくれた。 今まで私が周りの友達にゲームの楽しさを熱く語っても、大抵「へえーそうなんだ」で終わってしまうのが、ものすごく寂しかった。 けど、柚は同じ熱さで「そうそう、ここのシナリオ凄く良くて」「やっぱ前作よりリロード速度上がったよね」なんて語れるのが、すごく嬉しい。 スリルと興奮を共有できる友達がいるって、最高だ。 そしてそのうち、ゲーオタであらゆるゲーム機とソフトが揃っている柚の家に上がり込んでは、共闘したり、対戦したりして遊ぶようになったのだ。 そんなことを思い出しながら、私はレモン味の酎ハイをぐびっと飲んだ。 開けた窓から、ふわ、と風が吹いてきてカーテンを揺らす。6月の夜の風は冷たすぎず、ほどよく火照った身体を心地良く冷やしてくれた。 「空は動きのパターンが決まってるんだよね」 柚が言った。 「分かってるけど、焦るとつい無意識にやっちゃうんだよー」 ぼやくと 「体に覚えこませるくらいやれば、無意識に出来るようになるよ。・・・その酎ハイちょっとちょうだい」 「ん」 私は飲みかけの酎ハイの缶を柚に渡してやった。 柚が缶を傾けて、男の子らしく目立つ喉仏が、ごくりと動くのをぼんやり見る。 柚は典型的なゲーオタで、おしゃれをするくらいならゲームやってた方がいい、ってタイプだ。 服も、家にいる時はいつもくたびれたグレーのスウェットの上下。しかもそれでコンビニとかお店に平気で行く。 私はおしゃれするのは好きだし、自分に似合うものを身に着けたいから、柚のその無頓着さには呆れるけど、まあ家にいる時は自由でいいと思う。 外に出る時は、さすがに少しちゃんとしたの着れば?と、柚の持ってた服の中で一番シンプルでまともだった、白シャツにジーンズを勧めたら、今度は外に出る時は毎回そればかり着ている。 いや、マンガのキャラじゃないんだからさあ・・・。 今度一緒に店に行って、似合いそうな服を選んでやろう、と思っている。 しばらく休憩してまた対戦して騒いで、気が付けばもう23時半だった。 「ねえ、また泊まってっていい?」 「別にいいよ」 柚とはいつも共闘する戦友的な感覚だから、私はよくこうやって遅くなったら泊めてもらっている。だって帰るの面倒くさいし、こんなに集中してゲーム出来る機会を逃したくない。柚も気にしていない。布団だって別に要らないから、その辺の床に転がって寝る感じだ。 もちろん、柚のバイトのシフトが入っていたら帰らざるを得ないんだけど、今夜は柚はバイトが休みだ。 それからまだしばらくゲームしていて、そのうち眠さが限界に来たから、いつものように床に転がって寝ることにした。 「おやすみぃ」 「おやすみ」 言いながら柚はまだスマホを見ていた。別に部屋が明るくてもうるさくても私は眠れるので、気にせずに目を閉じた。 ☆☆☆ 気が付くと部屋の照明は消えていて、窓から入って来る月明りでうっすら部屋の中が見えていた。私はぼんやりと横を見た。柚は私の隣で眠っている。 メガネは外していた。いつも鬱陶しい前髪も横に流れて額が露わになって、素顔がよく分かる。 睫毛が意外に長くて、綺麗な顔をしていてびっくりした。陰キャどころか、これじゃむしろイケメンなんじゃ?顔出せばいいのに。なんて思いながらしばらくその顔を見ていると、ふいに柚が目を開けた。 すっとした切れ長の瞳が・・・金色に光っていた。 え?何これ? と思っている間に、柚がむくっと体を起こす。 (どうしたの?)と言おうとして声が出ないことに気付いた。 「空、これは夢だよ。だから今から俺が何しても、夢だから遠慮なく気持ち良くなってよ」 (え?え?) 身体も動かない。 でも無理やり動きを制限されているというより、それは甘く痺れるような官能的な感覚に酔っているような、未知の感覚だった。 気が付くと、柚が私の上に覆いかぶさっていて、いつもより紅く見える唇を私の唇に押し当てていた。 (!?) 柚の熱い舌が私の中に入ってきて、くちゅくちゅと中を舐め回すのを、私はぼうっとして受け入れていた。 いつもとは違う身体の感覚も、柚の金色の目も、やっぱりこれは夢なのかもと思わせる。 第一、柚がこんなこと、するわけない・・・ 今までだって、何度も泊まったのに柚は何もして来なかったし、そんな雰囲気になったことだってない。 「あっ」 柚の手が私のシャツを捲って、裸の胸に触れた。そしてやわやわとそこを揉みしだいていく。 「可愛いね。柔らかい・・・すごく綺麗だよ・・・」 そしてつんと尖った乳首を口に入れ、ちゅっと吸ったり舌で転がし始める。 「ああん」 いつの間にか声が出るようになっていた。 「だ、だめ、柚、なんでこんなことっ」 「言ったじゃない。これは夢なんだって。空が見てる夢だよ。現実じゃないんだ。だから空も楽しんで。いっぱい気持ち良くなっていいよ」 「そんなこと言ったってっ」 それ以上言わせないかのように柚が私の口を塞いで、息も出来ない激しいキスをして来る。 「んっ、はあっ」 こんなキス知らない。 こんなのしたことない。 こんな柚知らない。 は、っと気が付くと、私は仰向けに床に寝っ転がっていた。慌てて服を改めるけど、寝た時と同じで、どこも乱れてない。 もう朝みたいで、カーテンの向こうがすごく明るくなっていた。 部屋を見回すと、ちょうど柚がいつものくたびれたスウェット姿で、手にコーヒーのカップを持って来たところだった。 いつもと変わりなく、ぼさっとした髪で、前髪も鬱陶しいし、眼鏡の奥の目はよく見えない。でも少なくとも金色には光ってない。 「あ、起きた?飲む?」 「・・・ううん、顔洗ってくる」 私は洗面台で顔を洗うついでに、自分の顔や体をチェックしてみた。 どこにも何の跡もない。 ーーーやっぱり、あれって夢だったのかな。 私にあんな願望があるとか?そんなわけないのに。ああでも、私ってば柚の家でなんて夢を見たんだ。 我に返ると、気まずくて柚の顔が見れない。 「えーと・・・今日は二限からだから、そろそろ帰るね」 「うん、分かった。またね」 柚はいつもと全く変わらない、飄々とした態度で手を振った。私はそそくさと玄関を出てよろよろと家に向かった。 なんつー夢だ・・・ それから大学に行ったけど、友達と話したり講義を受けたりしている内に夢のことは大分頭から抜けていた。 しかし、その日の夜。 また私は変な夢を見ていた。 この時は、これは完全に夢だな、と分かった。 だって、私は自分の部屋で寝ていたのに、夢の中では柚の部屋にいたからだ。 「空、好きだよ」 今度の柚は私にそんなことを言って迫って来る。 「え、えーと、これ、夢なんだよね?」 自分の夢なのにそんなこと言ってどうするんだ。と思いながら言うと、夢の中の柚は微笑んでそうだよ、と答える。 そして現実の柚とは別人みたいな、端正な顔を近づけて来て、私の唇に深いキスをした。 すぐに舌が絡められ、口の中を犯されているみたいな息も出来ない激しいキス。 押し倒されて、胸をいやらしく揉みしだかれ、いつの間にかびしょびしょに濡れているところを指でぐちゅぐちゅと弄られる。 「んんっ」 やっぱ夢だ。こんな気持ちいいとか、あり得ない。 でも段々、現実でも味わったことがないような気持ち良さに、抵抗感が溶かされていった。 自慢じゃないが、彼氏がいた頃も彼氏とのセックスで感じたことがない。 いつもイッたふりの虚しいセックスライフだったのだ。 当然そんな彼氏とはすぐに終わり、その後はゲームに熱中するだけの日々だった。 だから、今、夢とはいえこんな快感を与えられて、私は初めての甘さに陶酔してしまった。 たとえ相手が柚でも、どうせ夢だ。だったらせっかくのこの気持ち良さを、たくさん味わいたい。 私は蕩けた頭でそんなことを考えて、愛撫してくる柚の手や唇に酔った。 「積極的になってくれたね。嬉しいよ」 夢の中の柚は引き締まったとてもいい身体をしていた。えーと、その、あの部分もすごく大きい。顔だって見たことないような妖艶な表情を浮かべていて、男なのに壮絶に色っぽい。 現実の柚の体なんて見たことはないけど、まごうことなきゲーオタのあいつは、きっとこの夢ほどいい身体はしてないと思う。 「あっん!」 柚は一気にその大きなものを私の中に突き入れると、激しく腰を振った。 結合部が激しく粘着質な音を立てる。 「あっあんっ、すごっ、いいっ」 夢なのになんでこんなに気持ちいいんだろう、あっという間に絶頂を迎えそうになった。 「イっていいよ」 柚がますます激しく奥を突き上げて来て、快感が弾けた。 「・・・・・・!」 あまりに良くて声も出せないでいると、その間も柚は休むことなく動き続け、繋がったまま私の体をひっくり返すと、後ろから攻めてきた。 「んんっ、だめぇ・・・まだ、イッたのがおさまってないからっ・・・」 「いっぱい感じていいんだよ。イッてる空、可愛い。中もめちゃくちゃ締まって気持ちいい・・・」 切ない声を漏らしながら、ぐりぐりと私のいいところを攻め続ける柚に、私の身体は小刻みに絶頂し続け、すべてが蕩けていくようだった。 「最悪・・・」 目が醒めた時、私は何とも言えない気持ちになった。 ゲー友を勝手に夢に登場させたうえに、容姿までも改変し、さらにはあんなことをさせて気持ち良くなっちゃってるとか、最悪過ぎる。友人を勝手にオナニーネタに使ってしまったような罪悪感だ。 こんな夢を見ていることなんて、絶対本人には知られたくない。 しかし、精神的にはダメージ大なのに、身体の方は夢の影響か、起きた時からパンツがぐしょぐしょになっていることに気付いた。 思わずパジャマのズボンとパンツを脱いで見てみると、ズボンにまで染みるほど濡れていた。 まさか、精液っていうことはないよね? 一瞬ドキッとして、パンツに鼻を近づけて匂いを嗅いでみたけど、自分のものの匂いしかしなかったから安心した。 あーーーそれにしても、なんって夢を見てるんだ、私は。どこまで欲求不満なんだ。 そりゃ、高校で彼氏と別れてから何もなかったけど。 ゲームばっかりで誰かと付き合ったりすることもなかったけど。 それで不満を感じたことはなかったのに、気付かなかっただけで、本当は悶々と欲求不満をこじらせてたっていうわけ? 「はあ・・・」 でも、夢の中の柚の手つき、ものすごく気持ち良かったな・・・ 「んっ・・・」 心は、やっちゃダメなこと、と思っているのに、身体がまだ夢の快感を引きずっているようで、私のそこはじんじんと疼いていて、気付けば自分の指を這わせていた。 久しぶりの刺激は、すごく良くて。いつしか夢の中の柚に触られていることを想像しながら、私は達するまで夢中になってしまっていた。 「うう・・・最悪だ・・・」 気持ち良さの波が引いてしまうと、私の罪悪感はさらに重さを増していた。 はっきり起きている時にまで、夢の柚をネタにオナニーしてしまった。 あああ! しかも今日はこれからバイトで、柚とシフトが被る日だ。 こんなの、まともに目が見れない。 しかし無情に時は流れる。私はだるい身体を起こして支度をし、バイト先のコンビニへ向かった。 裏口からバックヤードに入り、ロッカーの前で制服に着替えて表に出ると、レジのところに柚がいるのが目に入ってドキっとする。 うう、ものすごく気まずい。 柚は私に気付くと、ちょっと微笑んだ。その顔を見ると罪悪感がやばい。私も微笑もうとしたけど、ほっぺたが引きつってしまった。 そのまま私は、商品の品出しとかが忙しいんです!ってふりで、なるべく柚のところには近づかないようにした。 いつもは用がなくても側に行って、なんだかんだと話しかけているのに。 「はあー・・・」 休憩時間になったのでバックヤードでお茶を飲んでいると、ふいに柚が入って来て、私はお茶を盛大に噴いた。 「え?どうしたの?」 「ゲホッゲホゲホ!」 柚が戸惑ってティッシュを棚から取ろうとしているのを涙目で見ながら、私は「な、何でもない!」と必死で言い募った。 「とりあえず拭くよ」 そう言って、柚が私の座っていたテーブルの上や、お茶が散った私の手を拭いてくれた。 けど、柚の筋張った手が私の手に触れただけで、昨日の夢のあられもないあれこれがぶわっと甦ってきて、私の顔に一気に熱が集まるのが分かった。 「なんか今日変じゃない?何かあった?」 「い、いいいや?別に何もないけど?」 明らかに変だろ。 まったく誤魔化せてない。 目を泳がせる私に、柚は首を捻ってはいたけど、それ以上は追及しないでくれたので助かった。 「あ、今日ゲームしに来る?」 そう言われてちょっと迷う。ほんとならパスするところだ。 けど、今日はゲーム内のイベントがあり、そこであるアイテムを絶対にゲットしたい。 そのためには、隣に柚がいる状態で色々相談しながらプレイしたい。 チャットでも出来るといえば出来るけど、やっぱり実際に同じ空間に居ながらやった方が断然やりやすい。 「・・・うん、行く」 迷ったあげく、私はそう答えた。ゲームへの欲求はどうしたって抑えがたいのだ。 「分かった。じゃあ色々準備しとくから」 柚はちょっと嬉しそうに言った。今日は柚の方が早く上がるのだ。 「ありがと・・・」 そう言ったら柚は出て行った。 今まで柚の家に行くことに、緊張したり意識したことなんて全くなかったけど、今日はありとあらゆることを意識してしまう。 夢の中に出てくる柚があんなだからって、現実の柚がどうかしてくるわけじゃないのに。 じっとしていると色々考えてしまうので、私は頭を振って、残りのバイト時間は真面目に仕事に集中したのだった。 そしてバイトが終わり、私は今、柚の部屋に来ている。 ちょっと緊張したけど、ゲームをしている間にだんだんそんなことは頭から消えていった。 「おおおーー!やったーー!ゲットしたぁ!」 柚の協力のおかげで念願叶って、欲しかったアイテムをゲットできた私は最高潮にテンションが上がって、いつも通りにはしゃぎまくっていた。 「いえーーい!」 と、柚とハイタッチする。 「無事ゲットできて良かったね」 「うんうん!柚のおかげだよー!柚様ー!ささ、こちらは捧げものでございます」 「ん」 買ってきたピーチ味の缶酎ハイを柚に恭しく差し出すと、柚は受け取ってプルタブをプシュっと開けた。 そのまま、ぐびっと飲む。柚の喉が動くのを何気なく眺めていたら、急にまた色っぽく切ない声を上げる夢の中の柚を思い出してしまい、顔が熱くなるのと同時に、ムラっと来てしまった。 うわ、やば。 今まで柚と居てこんな性欲なんて感じたことなかったのに。女だから見た目で分からないのが助かったけど、妙に意識せずにはいられなくなってしまった。 よし。帰ろう。 「えーー・・・と、じゃあ今日はそろそろ帰ろうかなあ」 「今から?」 柚が不思議そうに言って壁の時計を見る。私も見て、愕然とした。 時間の感覚がなかったから気付かなかったけど、とっくに終電もなくなっている時間だった。 「泊まってけばいいじゃん」 「う、うううう、うん。そうだね」 仕方ない。とにかく寝てしまおう。寝れば気にならなくなる。 そう思って私は即、床に転がったけど。 色んなことで精神が興奮しすぎていて、まったく眠れない。 柚は何も気にした様子もなく、いつものようにだらしないスウェット姿でスマホを見たり、酎ハイ飲んだりしている。 私はぎゅっと目を閉じて、じりじりとしながら眠気が来るのを待ったが、眠れないまま、柚も部屋の灯りを消してその辺に転がるのが分かった。 そのままどれくらい時間が経っただろう。 うっすらと目を開けてみると、柚がこっちを向いて規則正しい寝息を立てている。 ぐっすり寝ているようだ。眼鏡は外しているが、前髪がばさっと掛かっていて目元はあまり見えない。 私も早く寝たい。そう思いながら、何となく柚の顔を眺めていて、前髪をどけたらどんな顔しているのか気になった。あの夢と同じなのか、それとも全然別で、夢はやっぱり夢なのか。 確かめたくなった。 私はそうっと身体を起こすと、ゆっくり柚の髪に手を伸ばした。 そしてゆっくりと前髪を手ですくって上にあげてみる。 ・・・もうちょっと・・・ 手先がプルプルしてしまう。と思っていたら、急に柚が目を開けて、私の手をガッと掴んできた。 (ひゃあああああっ!) 心の中で絶叫した。背中に冷水をぶっかけられたみたいだ。 「空・・・何してんの?」 「いや、あのこれは違くて、えっと」 柚の声は平坦で、怒っているのか訝しんでいるのか全然分からない。分からないから、よけいに怖かった。 「俺の顔が見たかった?」 「えっ・・・あ、あの・・・」 「いいよ、しっかり見てみて。夢と同じかどうか確かめてよ」 「え!?」 今、なんて言った? 私が驚いていると、柚が起き上がって自分で前髪を上にあげた。 その顔は、私が毎日見ていた夢の中の柚と同じだった。 「うそ・・・なんで」 「身体の方も確かめてみて」 まったく付いていけてないのに、柚はそんなことを言って、いきなりスウェットを脱ぎだす。 「え、ちょ、ま」 言葉が不自由になりながら、目だけは柚のことを見てしまった。 柚は思い切りよく上も下も全部脱いでしまっていて、そこにはやっぱり夢で見た通りの体があった。股間が元気に起き上がっているのがはっきり見えてヤバい。 「どう?同じでしょ?」 「ちょ、ちょーーーーっと待って!!なんで?いったいどういうこと!?」 さすがに私は声を上げて聞き正した。 「俺、淫魔とのハーフなんだ」 「…は?…淫魔ってよくエロ漫画に出てくるサキュバスとかそういうやつ?男はインキュバスだっけ?そんなのマジでいるの!?」 私が頭ぐるぐるしながら立て続けに発した問いに、柚は頷いた。 「俺はハーフだから、別に人の精を取らないと生きていけないなんて事もないし、人間と変わらないよ。ただちょっと夢に干渉できるだけ」 「じゃ、じゃあ、なんで私にあんな・・・夢、見せて来たの?」 そこが分からない。 精も要らないなら、別に私にあんなえっちな夢見せる必要性なくない? すると柚は急にへにょん、としおたれてボソっと呟いた。 「それは・・・ごめん。俺がヘタレだったから・・・」 「どういうこと?」 「あのさ・・・今さら言うのも何なんだけど、俺、空が好きなんだ。最初にバイト先で会った時から好きだったんだ。でも言えなくて・・・。空はずっと俺のことゲー友だと思ってたし、その信頼を裏切りたくなかったし、もし嫌がられてゲー友ですらなくなったらと思ったら、怖くて、言えなかった」 確かに、私は今まで柚のこと、いい友達としか見てなかった。 でも柚は私のこと、そんな風に思ってくれてたのか。 なんか、ちょっときゅんと来るかも。 「ん・・・?で、なんで夢見せたの?」 「それは、ああいう夢を見てもらって、俺のこと、もっと意識してくれるようにならないかなーって・・・あと、告白のきっかけにしたくて・・・ホント、ごめん」 あー、なるほど。うん、確かにものすごく意識した。 その目論見は見事だよ。その通りになっちゃったし。 「まあ、意識はするようになったよね・・・そりゃ、あんなの見せられたら・・・」 もごもごと言ったあと、ハッとする。 「っていうか、あの夢って相当リアルだったんだけど…実際にしてたわけじゃないんだよね?」 「えー・・・っと」 柚は少し目を泳がせる。 「あれは、半分夢で半分現実っていうか。精神体では実際に交わってるんだよ・・・」 「え?」 じゃあ私、ほんとに柚とあんな事しちゃったってこと? 「えーーーー!?やだやだやだ!!恥ずかしい!!!」 真っ赤になる私に、柚は慌てふためいてまくしたてる。 「あ、あの、ちょっと待って、聞いて!俺、ハーフって言ったじゃん?だから純粋な淫魔みたいに誰でも彼でも夢に引きずり込めるわけじゃないんだよ。すっごく制限があって、まず俺が好きな子にしか夢は見せられないし、しかも相手も俺のこと好きでいてくれないとダメなんだ。それと体液の交換も事前にしてないとダメだし、だから空が俺の夢を見てくれたってことは、空も俺のことが好きだってことなんだ。それが分かったから、俺もちょっと強引に出たっていうか・・・」 「え!?うそ私、柚のことが好きなの?確かにゲー友としては大好きって言えるかもだけど・・・ていうか、体液の交換なんてしたっけ?」 「酎ハイ回し飲みしたでしょ」 「あ、あーあー・・・あんなのでいいんだ?」 「言っとくけど、友達として好き、だけじゃ夢は発動しないんだよ。だから空に淫夢見てもらえた時、俺がどれだけ嬉しかったか分かる?・・・だから夢の中では、つい激しくしちゃって・・・ごめん。現実ではもう少し抑えるから・・・俺と付き合って下さい」 言うと、柚は全裸で頭を下げていた。 はっきり言ってむちゃくちゃ混乱している。色んな情報を一気に詰め込まれ過ぎだ。 でも、確かに夢と言えど、相手が柚じゃなかったら、あんなに簡単に抵抗感は消えなかったかもしれない。 それに、しょっちゅう家に泊まっていたのだって、心のどこかで、もし柚がその気になっても、受け入れてもいいかなって思ってたから・・・まあ・・・ 私は目の前で全裸土下座をかます柚を見て、呆れたような、愛おしいような気持ちになった。 「・・・うん、分かったよ。私も柚のことが好き、かも・・・だから、いいよ。これからよろしくお願いします」 柚はそれを聞くなりガバっと起き上がって、私に抱き着いてきた。 「空っ!好きだよ!」 そのまま押し倒される。 「ちょ、ちょっと!激しくしないって言ったよね?」 「うん、大丈夫。ちゃんと分かってるから」 そう言って、私と目を合わせるとそっと口付けて来た。 熱い、甘いキス。夢の中の時みたいに、身体が蕩けていきそうな気持ち良さ。 「あ・・・柚・・・」 「可愛い、空。好きだよ」 夢の時より、優しいゆっくりした動きで、私の舌に自分のを絡めてくる。口の中の粘膜まで敏感になってしまったみたいに、それが気持ち良くて仕方なかった。 「空のここ、もうとろとろになってるね」 「あっ、だって柚が毎日あんな夢見せてくるからぁ」 「ごめん、でもやっと本当にちゃんと空と繋がれるのが、すごく嬉しい」 言って柚は私のそこに顔を埋めて、丁寧に愛撫を始めた。チロチロと舌先で弄ったり、中に舌を差し込んだり、言った通り優しくしてくれている。 「んっんうう」 でも私はじれったくなって、ねだってしまった。 「ねえ、もうちょっと夢みたいにしてもいいよ?」 「・・・うっ。俺、我慢できなくなるよ」 「いいよ、いいからいっぱいして・・・」 「空ッ!」 ぎゅっと抱き締められる。 私の脚を大きく広げた柚は、私のびしょびしょに濡れたそこに熱くて固いものを押し当て、一気に中に入って来た。 「あっ、んん、き、気持ちいい・・・っ」 それまで感じたことがないくらいの快感が弾けて、私は思わず声を上げていた。 「ううっ」 柚も快感に耐えている。 「もう、イッちゃいそう・・・」 「あっん、夢じゃ、あんなに慣れてたのに・・・?」 「俺、現実では童貞だもん」 「えっ!?」 淫魔なのに!? 思わず素面に戻って聞くと、柚は恥ずかしそうに言った。 「精を取る必要もないし、俺、初めては本当に好きな子としたかったから・・・だから空が初めてだよ」 え、うそ・・・なんか可愛い。 きゅんとして、私は柚にキスした。 「私が初めてなんて、嬉しい。でも私もこんなに気持ち良くなったの、柚だけだから。柚とのえっちで初めて気持ち良くなってるから」 「空ぁ・・・嬉しいよ。俺のでいっぱい感じて」 柚はそう言うと、腰を動かし始めた。 柚が私の奥まで入ってくると、全身がびくびくするほど感じてしまった。 「あっすごいっ、いいよ、すごくいいっ」 「空、俺も、めちゃくちゃ気持ちいい、やばい・・・」 「あっ、あああーっ!」 快楽の波が何度も押し寄せて、私はぼうっとする頭の隅で、自分の身体が勝手にビクビクするのを感じていた。と同時に、柚が「うっ」と呻いて、私の奥に熱を放つ。 私の中でぴくん、ぴくん、と痙攣している柚を愛しく思いながら、ふと我に返った。 「・・・そういえば避妊してないんじゃ?」 「あ・・・大丈夫・・・淫魔は受精を、コントロール出来るから・・・普段は妊娠させないから、安心して」 はあはあと息をつきながら柚が言うので、淫魔って便利だなあ。さすがえっちに長けた種族だわ、なんて思った。 「はあ・・・すごく良かったよ、柚」 そう言ったら、 「空が気持ち良くなってくれて、嬉しい。でも、まだまだもっと感じていいからね?」 にやりと妖艶に笑った柚の顔は人間離れした色っぽさを湛えていて、まだまだ終わりそうにないらしい。やっぱり柚って淫魔なんだな・・・と私は快楽に溶かされていく頭の隅で思った。 ☆☆☆☆ 「あーー!また負けたあ!」 「だからパターンが決まってるんだって」 あれから相も変わらず、私は柚の部屋でゲームに興じている。 変わったことと言えば、柚の部屋着が新しいパーカーとジャージになったことくらい。あ、あと外に出る時に着ていく服が、2、3着増えたことくらいだ。 それから、私と二人きりの時は、柚が眼鏡を外していること。 私は暇さえあれば、私しか見れない柚の顔を見てにまにましている。 ほんとは、イメチェンして顔出して眼鏡やめなよ、って言ったんだけど、 「俺がこんな恰好してるのって、意味あるんだよね。ハーフだけど淫魔だから、相性によっては目が合っただけで勝手に魅了されちゃう人もいるし・・・。純粋な淫魔の人ならそれでいいんだろうけど、俺は誰でもいい、ってわけじゃないから、これからも顔は見せないつもりだよ」 って。 なるほど。それで似合わない眼鏡なんて掛けてたんだ。 「え、でもそれなら、最初から私に素顔見せたら良かったんじゃ?」 「人によるって言ったでしょ。俺も、こっそり何度か試してみたけど、空には効かなかったの」 と柚は言った。 別に顔を見せなくても、魅了しようと思えば掛かる人には掛かるんだって。でも私には何も効かなかったから、割と悶々としていたらしい。 「じゃあ、その顔見れるの、私だけなんだね」 って言ったら、 「そうだよ。普段の顔だけじゃなくて、こんな顔も見れるのは空だけだよ」 って艶っぽく微笑まれて、押し倒された。 「もー。またするの?」 「だって淫魔だし。精を吸収する必要はないけど、性欲は強いんだ・・・嫌?」 「・・・イヤじゃない」 そう言って私は自分からキスした。 柚はゲーオタのままだ。人間界に溶け込むためのカモフラージュとかじゃなく、ゲームは本当に好きらしい。そして陰キャなのも元々だった。 淫魔とのハーフっていうだけで、何も前と変わりない。 でも、えっちな事が大好きで、ゲームをしていない時はえっちな事ばかりするようになったということが、一番変わったことかもしれない。 まあ、それを受け入れている私も私なんだけど。 (終) ******** 一週間くらい淫夢見せようと思ってたんですが、我慢できませんでした(誰が?)。゜(゜´Д`゜)゜。 お楽しみいただけましたら、スターで応援、感想なども頂けると今後の励みになります!
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