ドS上司に飼われました💦

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「あら、麻央さんの同期会の飲み会ってここだったの?」 「偶然ね。隣になったのも何かの縁だから一緒に飲まない?」 いえいえ、月子先輩。朋実先輩。一緒に飲むだなんて同期会にはそんな畏れ多いです。 こっちをガン見てる冴木課長の目が怖いです。 けれど。 お酒がすでに入ってご機嫌な同期たちは、 「わあ、嬉しいです!」 「どうぞどうぞ!こんな美人な先輩方と飲めるなんてラッキー!」 すぐに店員さんを呼んで隣の簾と衝立を取り払って席を広げてしまった。 もちろんわたしの右隣には冴木課長が。 うわあ、飲んでも酔えそうもない、です。 そう思ってたのに。 「うっ……」 「やだ、麻央ちゃん、大丈夫?」 月子先輩、大丈夫じゃないです。なんだか体がフラフラして真っ直ぐ歩けません。 「そんなに飲んでないはずなんですけどね。コイツ酒弱いから」 わたしをコイツ呼ばわりしてるのは同期でも一番失礼な高野。 でも本当は優しいのを知ってる。 わたしが入社試験の面接後に落ち込んだのを慰めてくれたんだ。だから少しくらい口が悪くても気にしない。 「オレ、コイツを家まで送って行きますから大丈夫ですよ。家も知ってるし」 「えー、そうなの?麻央ちゃんにそんな人がいたのね、知らなかったわ」 頭までフラフラしてきた。 吐き気までする。 今、タクシー呼ぶからな。 そう言って高野は手を上げてタクシーを停めた。 「安心しろ。オレがちゃんと家まで送ってってやるからさ」 わたしを連れて乗り込もうとして、 「待て。俺もそのタクシーに乗る!」 冴木課長……? 頭がグラグラして目が回って何も考えられない。 そのままタクシーに乗せられたまではわかってた。 で。 痛む頭を擦ってベッドから体を起こすと、 なんと。 そこは広くてモダンな見知らぬ部屋。 へっ? 大きなベッド…… そして、隣には、なんと。 裸の冴木課長が眠っていた───
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