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うそっ!
慌ててわたしを見下ろすと、パラリ。
シーツの中のわたしは下着以外身につけてない。
周りを見渡してもわたしの着ていたはずのワンピースが見当たらない。
まさか……そんな……
頭がくらっとした。
誰とも付き合ったことのない、一度も経験のないわたしには何が自分の身に起こったのかわからない。
頭から血の気が引いていく。
「んっ……」
冴木課長が身動ぎをした瞬間に思わずベッドから飛び降りた。
無我夢中でドアを開けると、リネンに干してあったワンピースを着て部屋を飛び出した。
どうしよ、どうしたらいいの?
昨日の夜にいったい何があったの?
どこをどうやって帰ったのかわからない。
アパートまでたどり着いた時には精神的にヘロヘロになっていた。
「わたし……もしかして冴木課長といたしちゃったの!?」
パニックを起こしてたわたしは全く気づいてなかった。
冴木課長にとんでもないことをやらかして、取り返しのつかない迷惑を掛けてしまっていたことに───
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