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あなたと出会ったのは、冷たい雨の降る夕暮れ時のことでした。
私は、自分たちを閉じ込める高い壁を乗り越えることもできず、雨に打たれながら凍えていました。
大きい生き物たちは、まるで見世物のように私たちを覗き込みながらも、誰一人として助けようとはしてくれませんでした。
ついに動かなくなってしまった兄弟の、冷たい身体に寄り添いながら、私も同じように冷たくなってしまうのだと思いました。
ついこの間まで、あたたかい母のぬくもりに包まれ、私たちは幸せだったのにと、薄れゆく意識の中で思い返していました。
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