短眉・紅い目尻・前髪パッツン〜ゆんほぉあ〜

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 飲茶の店で軽く茶をしばきながら、先ほど買った壺を観察した。桜の花の絵が描かれた、見るからに汚らしい壺だ。  冷静に考えて見直されるどころか、「みな君、お小遣いを無駄にしちゃ駄目でしょう!?」と逆に叱られそうな気がしてきた。玄関で花でも飾る花瓶にするかなあ。それにしても、古くて汚い壺だ…。と思い汚れを拭くと、なんか煙が立ち上がってどこからかチャイナドレス姿の若い女が現れた。古い壺だって時点で、多少予想してなくはなかったさ。  「どろ〜ん。ワタクシは桜の精・桜花(ユンホォア)でございます。あなたがご主人様ですね?」  「チェンジ、チェンジで。もうちょい年増か、逆に少年給仕ぽいやつがいい」  「そういうお店ではございませんから。改めまして、ワタクシは桜の精・ユンホォア。声優は能○麻美子です。ワタクシを壺から出して頂いたあなたの望みを、何でも叶えさせて頂きますわ」  「ん?いま何でも叶えるって言ったよな」
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