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次にユイに会ったのは小学校に入ってすぐの夏休みだった。
いつものように海で遊んでいたら祠の前に立っているユイを見つけた。
祠とはもちろんあの祠だ。岩場にあって満潮になるといけなくなってしまう所にある祠。
僕はユイを見つけると転ばないように気を付けながら彼女のもとへ急いだ。
彼女は僕だと気づくと、
「なんであの時来てくれなかったの」
と言った。
僕は謝った後、何をしていたのか聞いた。
「お賽銭取ってるの」
そう言ってユイはさび付いた硬貨の載った手のひらを見せた。
「そんなことしていいの」
確かこの祠は海神を祀っているものだ。僕も母から祟られるから取ってはいけないと言われていた。
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