記録

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   ここには入れない、とユイが言った意味が分からなかった。 「…僕、入れたよ?」 「それは▲▲君だからだよ。誰も入ってこれないから。だから遊ぼ」  ユイの言っていることは分からなかったけど入れない、というのは本当だと感じた。でないとこんなに経っているのに母がまだ来ていないのはおかしい。 「で、でもさ、じゃあユイはここにずっと一人でいるの?」 「うん、そうだよ。だからずっと寂しかった。▲▲君、遊んでくれるよね?」  そう言ってユイは笑った。夕日に照らされたその笑顔が不気味で、思わず僕は背を向けて走り出していた。
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