記録

6/17

4人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
   その神社に続く道は岩が並んだようにしてできていて、何度か転びそうになった。その道を進んで右に曲がるとその建物はあった。その建物は、屋根は黒く、木の茶色と赤い塗料が見え隠れしていてぼろ臭いな、と思った。  建物の前には賽銭箱とおみくじの箱があった。おみくじの箱は誰でも取り出せるようになっていた。きっとお金を入れずに取っていく人もいただろう。  僕は家族がやったのを真似るようにしてお賽銭を投げて、おみくじを引いた。何が出たかは覚えていない。  そうして数分か経って、飽きてきたので神社を後にしようとしたとき、声をかけられた。 「ねえ、君が▲▲君?」  幼い女の子の声だった。振り向くと、黒いワンピースを着た五歳から六歳ほどの女の子が立っていた。いまでこそ○○島は観光客がそこそこ来ているが、当時はほとんどおらず、観光客が島の話のたねになってたそうだ。  
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加