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その神社に続く道は岩が並んだようにしてできていて、何度か転びそうになった。その道を進んで右に曲がるとその建物はあった。その建物は、屋根は黒く、木の茶色と赤い塗料が見え隠れしていてぼろ臭いな、と思った。
建物の前には賽銭箱とおみくじの箱があった。おみくじの箱は誰でも取り出せるようになっていた。きっとお金を入れずに取っていく人もいただろう。
僕は家族がやったのを真似るようにしてお賽銭を投げて、おみくじを引いた。何が出たかは覚えていない。
そうして数分か経って、飽きてきたので神社を後にしようとしたとき、声をかけられた。
「ねえ、君が▲▲君?」
幼い女の子の声だった。振り向くと、黒いワンピースを着た五歳から六歳ほどの女の子が立っていた。いまでこそ○○島は観光客がそこそこ来ているが、当時はほとんどおらず、観光客が島の話のたねになってたそうだ。
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