記録

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 僕は彼女の問いに答えた。 「そうだよ」 「やっぱり。ねえ、一緒に遊ばない?」 「え…」  僕は振り向いて家族の方を見た。すると母は「遊んであげて」と言うかのように頷いた。 「じゃあ、遊ぼう!」  彼女は母のその仕草をみるとそう言って僕の手を取った。  それから日が暮れるまで遊んだ。鬼ごっこやだるまさんが転んだはもちろん、草花を使った遊びもした。木にも登ろうとしたが、それは母が止めた。  暗くなってきたとき、 「私の名前はね、ユイっていうの」 と彼女は言った。後から知ったが、彼女は滅多に人に名前を教えることはなかったらしい。
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