26 通いたい高校

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26 通いたい高校

 考えてみれば〝怪し過ぎるバイト〟の後に、何があっても良いようにと整理したが、その必要はなかったようだ。  でも整理した事で、色々考え、何が大切かが見えて来て、自分はどうしたら良いのか…と考える機会になった。  そんな時間を過ごしたからこそ、二人への感謝の気持ち、これからの自分の事も再確認出来た。  今後は今までの三か月を取り戻すために、早くスタートをしたいと考えていた。   次の日から、私は通いたいと思える高校を探した。 近い方が良いのだが、電車で30分~1時間くらいの範囲までで、絞り込む事にした。  自分の成績とか、制服の有無とか、駅からの交通手段と時間などを考えて、いくつかに絞ったが、さらに絞り込む材料を探した。  高校の特色や、力を入れている活動とかも考慮にいれ、実際に高校へ行ってみたりした。…が、なかなか決められなかった。  私は高校へ行って、何をしたいのか?その高校の何処が良いと思ったのか?…と考えているつもりが、いつの間にかやりたい事を探すのではなく、高校に合わせていた事に気付いて、〝私の中の私〟をもっと膨らませてみることにした。  どんな仕事に就きたいか。何に興味があるのか…などと考えていた時、体を使った仕事の方が向いていると、今回の事で分かった気がする。  スポーツも好きだし、子供の頃は看護師さんに憧れていた。 そこでスポーツインストラクターや、看護師といった仕事も調べてみた。  職業を意識した事で、高校も決める事が出来た。 まだ先の事なので変わるかも知れない。変わった時は修正して行けばいい。  もう遠回りも、やり直しも怖くなかった。 こう考えられるようになった私を、二人に見てもらいたい。…という一心で、前を見続けて歩みを止めなかった。  約束の土曜日。 早めに下拵えだけはしておいて、10時半過ぎくらいから、昼食の準備を始めた兄を手伝っていると、父から着信があった。  今日の為に、デザートを洋菓子店で注文しておいたのだが、打ち合わせが長引いて、受取りに行くと約束した時間までに、洋菓子店に行けそうにないから、代わりに受取って来て欲しいという内容だった。  兄に伝えると、 「洋菓子店にも迷惑を掛ける事になるから、悪いけど行って来てくれ。」 二人に頼まれたので、後の準備を全て兄に任せて、私は洋菓子店へ向かった。  実際、私が居なくても手際の良い兄の事だから、時間通りに出来上がっているだろう…と思いながら、父の事務所近くの洋菓子店へ急いだ。  
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