1、リアル

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今日は朝から会社でアロママッサージスクールの指導員。 夕方からは、大学で女子バレーボール部の部員をケアする。 中島静流(なかじま しずる)25歳、毎日同じ様な日々だけど、充実してるし、何より仕事が面白いと感じています。 「しずちゃん、枯れてるよね」 「ホントそれねー」 「もったいないよね」 「あーね」 女子大学生の会話には口を挟まない事にしてる。 挟んだら最後、徹底的にイジられるから。 「しずちゃん、彼氏いないんでしょ?」 「今はいらないの」 「どんな人がタイプなの?」 「細マッチョ。腹筋バキバキなら尚良い」 「マジで?」 「触ってボコボコしてないと嫌」 「じゃ、男バレだったら、誰の身体が良いの?」 「タイプの身体はいないね」 「そっか、あっ、痛い、ソコ痛い」 私の下で悶絶してるのは、キャプテンの新井弓佳さん。4年生でセッターをしている。 今日は、攻撃中心の練習だったから、ジャンプトスの回数が多く、ふくらはぎに疲労が溜まっていた。 明日に疲労を持ち越さないように、丁寧に筋肉へと酸素を送り、疲労が和らぐようにマッサージを施す。 これが私の仕事。
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