お前だけを ー純ー

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    お前だけを ー純ー

「……好き。いつの間にか好きになってた。」  侑の言葉を聞いた途端に、俺の全身が歓喜に震えた。自分に自信がないという侑。お前の魅力は俺だけが知っていればいい。勝ち気で睨みつける顔。自信なさげな表情。  いつも自分自身をどこか抑えている。でも何を考えていようが、何を話そうが俺の気持ちは変わらない。そのままの、ありのままのお前を愛することを誓うよ。 「もう無理。侑……愛してる。」  恥ずかしそうにしながら「好き。」と唇を寄せてくる侑の表情が限界だった。再び覆い被さって、唇を奪う。  下唇をチョンとノックし静かに舌を差し入れる。受け入れてくれた途端に箍が外れそうになった。侑の両手がおずおずと、俺の背中に回される。 『このまま、このまま最後までヤッてもいいのか?』  ……俺らしくない。今までなら誰の意見も聞きやしなかった。本能のままに突き進んで、そしていつも大丈夫だったんだ。だが侑は、侑だけには……。 「侑? エッチしないか?」  俺の腕の中にいる侑の顔が一瞬で真っ赤になり、両手で顔を覆ってしまった。えっ? 何? どうした? ストレート過ぎた?  何せ女を誘うなんて初めてだ。中高で自分の性指向を考えていた時、当然エロ本やAVで知識は得ていた。友だちが盛り上がる中で、イマイチ乗れない自分が不思議だったんだ。  でも今から侑と一つになれると思うと、めっちゃ興奮するんだが。俺の分身はバッチリだ。侑、侑は今どんな気持ちなんだ? 「侑? ストレート過ぎた?」 「バカっ!」  睨んでも効果ないぞ? 可愛いさがつのるだけだ。首元まで真っ赤になっている侑を起き上がらせ、座った俺の太ももの上に誘う。 「俺さ。経験ゼロだし、性格こんなだし。自信はあるっちゃあるが、侑の気持ちが聞きたいんだ。」  侑の腕が俺の首に回された。静かに顔を寄せてバードキス。なんだ? メチャクチャ可愛いんだが。良いってことか? 「じゃ、遠慮なく。」  女の身体を暴くのは初めて……。だが、全然気にならない俺がいる。侑と1つになれるなら、どんなことにでも挑戦してみせる。  侑の身体を持ち上げる。スキニージーンズを履いた身体はとても軽かった。侑が倒れた時にも運んだはずだが、こんなに軽かったか?  侑の腕が俺の首に回り、顔を肩に埋める。その仕草に気持ちが急くのを感じた。早く、早く1つになりたい。  細い身体を壊さないように、優しくしてやりたい気持ちと、元カレのことを忘れるぐらいメチャクチャにしたい気持ちが交差する。 「侑、ありがとう。」  とりあえずはキスから……。額にキスを落として、全身が侑へと向くのを感じながら寝室へのドアを開けた。
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