当たり前だろ? ー純ー

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当たり前だろ? ー純ー

「えっ? 侑香?」  何の話で出てきたのかはもう忘れたが、夕べ、侑の名前が「桜井侑香」だったことを知って驚愕した。「ゆうか」なんて、いかにも女らしい名前。 「侑香、こっち見て?」  でも俺には好都合。呼ぶたびに真っ赤になったり、睨みつけたりする侑の表情を堪能しながら侑を抱き潰した。夜中まで離すことができずに、気を失うように眠ってしまった腕の中の侑を見て、ちょっとだけ反省はした。けど、たまにはいいだろ? いつも優しくしてやってるし。  侑との初めての経験を重ねてから、毎晩一緒に過ごすようになった。ほとんどは俺が押しかけて行って侑の部屋で過ごしたり、俺のマンションへ連れてきたり。  侑の部屋にも俺の服を多く置いてある。もう侑の親父の洗濯物を一緒に干さなくても良くなった。俺のがある。  大学(がっこう)へは水曜日以外は朝一で配達。侑の顔を見ることはあまり無くなった。けれどもあの日、元カレが迫ってきた日に侑と一緒にいた女の子にはたまに会って話をするようになった。 「あ、侑ちゃんの彼氏!」  購買前で大声で話しかけられた時には誰だか分からずに混乱したが、すぐにあの時の女の子だと気づいた。名前は「夏帆」。  2、3回会ううちに聞いた話では、あの時一緒にいたもう1人の女の子は侑が好きだったのだとか。危ねぇ危ねぇ。俺の侑はモテモテじゃないか。  元カレの噂もその子から聞いた。滅多に学校では見なくなったらしい。来てないことはないらしいが、コソコソと動いているようなのが奴らしい。 「でも大丈夫だと思いますよ? 一度だけ、あの人といつも一緒にいる男友だちになじられてるの目撃したし。」  そりゃそうだ。あんな場面見たら、噂が広がって奴の本性がバレるだろう。俺なら学校になんか行きたくなくなるところだが、それでも来てるっていうのは……図太い奴だな。  アイツのことが気になるっちゃなるが、夏帆という子を始めとして最近は親友の杏ちゃんや他の女の子たちとも一緒に学食でお昼を取ってると聞いて安心している。それに夜は俺のモノだし。 「そう。そしてコレ。」  鈍感な侑。俺がピアスを新調しても気づきやしねえ。でもそんな侑にお揃いのチャームをプレゼントすると素直に喜ぶ。そんな侑が愛おしい。 「今日も侑の裸の胸に踊るリングに、キスをしながら……。」  おっと危ねぇ。股間が反応してきた。車の中で盛るわけにはいかないだろ? まだまだ明るいしな。  今夜の夕飯は何を作って侑を驚かしてやろうか。俺は、気持ちを切り替えてその後でどうやってベッドへ持ち込むか思案しながら、自分のマンションまで車を転がし続けた。 ー 完 ー
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