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これから
「強く生きなさい。自分らしく、自分の色で」
マルク先生の言葉が、今も心に残る。
頭に残る先生のぬくもりが、とても。
「僕達って、何歳まで生きられるのかな…」
ルマと木のブランコに乗っている時、ふとそんな事を考えた。
「僕達下人だけど、それ以前に幽霊なのに。
幽霊って、死ぬのかな?」
楽しくブランコに乗っているルマは、風に吹かれながら気持ちよさそうだ。
「知らなーい!私たちは長生きできるのよー!」
大きく揺られるブランコに乗りながら、ルマはウキウキとしていた。
「…僕達には寿命がないんだ。
だから不安なんだよ。
もし人間のもとに行って、人間がこの世から亡くなった時、僕達はどこに行けばいいの?もしこの収容所を出て、二度と帰ってこれないって言われたら、
僕達は…」
僕はブランコをこぐことをやめ、地面に足をつけた。
「…ルマは、不安じゃないのか?」
ルマに話しかけると、ルマはブランコを掴んでいた手をバットはなし、
ジャンプをして着地した。
「不安なことばかり考えてたら、これから起きる楽しいことさえ不安に思っちゃうわ。もっと自分の思いたいように思うべきよベーターは!」
クルッと回って僕の方へ笑顔を向ける。
…自分の思いたいように。
「ようだね」
ブランコから立ち上がり、空を見上げる。
太陽が、僕らを照らしていた。
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