はじめまして

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はじめまして

正しい世界は、存在しない。 存在するのは、人間が正しいと勘違いした世界だ。 「はじめまして、今日から少ない間かもしれませんがよろしくおねがいします」 朝の朝会、今日、下人収容所に入ることになった一人の男の子が自己紹介をした。名前は、ニコラル・パーソンと言う。 彼は男のくせに髪の毛が肩まであって、女の子みたいだった。 「ねぇ、あなた何の食べ物は好きなの?」 ニコラルにルマが話しかけに行った。 「え、僕?」 ニコラルは驚いたような顔でそういった。 手に持っているのは、植物の本? 僕も二人の元へ言ってみる。 「ニコラルって、植物が好きなの?」 僕はそう聞いた。 「あぁ、うん」 本に目を落としながら、ニコラルは微笑んでいた。 「きれいな花が好きなんだ」 ニコラルが持っている本は、赤青黄紫など色んな色をした花が載っていた。 「きれい〜!」 ルマが宝石のような瞳で本を見る。 「僕、いつか人間の元へ行くことになっても、嫌じゃないんだ」 ニコラルがそう呟いた。 「僕、人間の元へいけば、きれいな花がいっぱい咲いてるって、それを見ることができるって思ってるから」 優しそうな顔でニコラルがそう言った。 なんだか…変なやつだな。 人間の住んでいる所のほうが好きなんて、変なやつ。 僕とは、真逆だ。
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