ただ強く

1/1
前へ
/11ページ
次へ

ただ強く

先生、僕達の生きる意味って、何なんでしょう? 「先生ー!マルク先生ー!」 「おぉ、ルマ」 ルマが花を手にマルク先生の元へ走る。 僕はその後ろを歩きながら向かう。 「マルク先生ー、私お花を摘んだの!見て見て!」 手に持っている花をマルク先生に差し出す。 「おぉ、綺麗だね」 「うん!」 風が吹き、野原の草たちが揺れる。 ルマの隣にたどり着くと、僕達二人にマルク先生は、 大きな手で頭をポンポンと撫でた。 「強く生きなさい。自分らしく、自分の色で」 ルマは何を言ってるのかわかってなさそうだったが、 僕の心には残った。 「うん」 僕はコクリとうなずく。 生きなければ。 生きなければ。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加