17歳

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「……え、誰も、いないってこと?」 「誰もいないって?」  まるで禅問答みたいに繰り返される問いに、何と答えればいいのかわからなくて、ぐっと黙り込んだ。俯き加減で瞼を伏せた俺に、君はからからと笑って眉を下げた。 「ごめんごめん、困らせちゃったね」  困ってるのは俺なのにどうしてそんなに困った顔をするんだ。 「いや別に……困ってない」 「またまた、リキはすぐそうやって誤魔化す」  駄目だよ、ちゃんと言ってあげないと。その言葉を聞くのはもう何度目だろう。でも、今日のその台詞には少しだけ違和感があった。その違和感に、そっとサツキを窺えば、君は「何?」と口角を上げて俺の方を見た。 「サツキ」  名を呼んだ。一瞬の沈黙が俺たちの間を通り抜けた。  サツキの眉は下がったままだった。 「……何か、あったの」 「何も、」 「嘘つけ、」
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