17歳

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 ちゃんと言わなきゃ駄目だと俺に言ったのはサツキだろ。そう言い返そうとサツキの方を向けば彼女は何故だか、ぷいと顔を背けた。 「……ちょっと今、こっち見ないでほしい」 「は?」  言っている意味が分からなくて、サツキの顔を覗き込んだ。刹那、きらりと光が反射した。 「……サツキ」 「あー、もう、見ないでって言った、」  じゃんか、という言葉は嗚咽に紛れて消えた。ぱた、とサツキの上履きの上に、染みができた。  小さな水滴は、あとからあとから降ってきて、どんどん広がっていく。必死で押し殺した切れ切れの嗚咽が、その端正な唇から零れて落ちていく。 「リキ……たす、けて……」  サツキは、俺の目の前で、小さく、小さく泣いていた。俺は、ただ、息を殺していることしか出来なかった。
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