17歳

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 俺たちはやっぱり同じだった。  死にたい訳じゃない。だけど、死ぬ以外にこの世界から逃げる方法を、知らない。  自嘲気味に笑うサツキを見ていたら、俺の心の奥底でじりじりと澱んでいた気持ちが、喉から飛び出した。 「一緒に死ぬ?」  ぼろ、と唇からあふれ出たその言葉にハッとした。だけど、口にしてみたらすとんと胸に落ちていく。母親がいなくなってからずっと胸に巣食っていた黒く汚い感情が、初めて少しだけ薄れた。  サツキは驚いたように俺の方を見て小さく笑って、唇を何度も開けては閉じて、けれど結局何も言わなかった。だから、俺もただ黙ってサツキの瞳を見つめていた。すると、迷うように開かれた唇から小さな呟きが零れた。 「リキが死ぬのは嫌だな」 「……そっくりそのまま返す」  俺たちに死ぬ勇気なんてない。でもそれが酷く悔しくて、冗談っぽく誤魔化した。 「じゃあさ、ひとつお願いきいて」 「何」  サツキは悪戯っ子みたいな瞳に俺を映して言葉を紡ぐ。 「私のこと、殺してくれない?」  息が、止まった。
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