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ジュンが朝食を終えるのと、マキがアイスを食べ終わるのは、ほぼ同時だった。
「うがいだけでもして行きなさいよ」
芹香の言葉に従って、二人は洗面所で歯みがき代わりのうがいをし、急いで玄関に向かう。
下駄箱の上にはラムが寝そべっている。
二人の方に一瞬だけ目をやってから、大きなあくびを一つ。
マキはラムの頭を人差し指でちょちょいとなでて言う。
「ラムラム、ラムや、行って来るね」
「早く行こ!! 8時20分だよ!」
「ひえ~」
「行ってきま~す!!」
そう叫んで、二人は慌ただしく家を飛び出していった。
走りながらマキが尋ねる。
「ねえねえ、昨日見た凄いものって何?」
「ラムがね、ラムが……あ~、走りながらじゃ話せないよ、学校で説明するから!」
ジュンはそう言いながら、話を聞いたときのマキの反応を想像し、顔をほころばせた。
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