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養生をとっても良くならない足に、手術を決断した。 しかし手術の後のリハビリが耐えきれないぐらい辛かった。 彼女はそのリハビリの日は必ずと言って来てくれ、先生と共に終わるま で見守ってくれていたものだった。 毎日の献身的な看病に心は引かれて行った。
そんな折り、右腕だった専務が突然病院を訪ねて来た。
「復帰できますかな?社長……」
「わたしは、そのつもりではいるが、まだ掛かりそうだ。すまんが、も
う少し頼んでもいいかな」
「はぁ...それでしたら、仕方ありませんな。しかし、社長。復帰の目処
が経たないのであれば、一度いっその事、辞意を表明しては如何なもの
でしょうか?」
「何!? どういう意味だ」
「いやぁ、社長の今代行を勤めている先崎は知っておられよう」
「あぁ、それがどうした」
「いや、社長が代行になってからというこの半年で、今までの業績マイ ナス分が改善されておりましてな? それに株主からも、社長交代の意見 が出て来とる次第なんですわ」
「クッ!」
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